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ホテルのコインランドリー 放置された洗濯物を棚へ移したら「下着がなくなった」 法的責任はある?
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旅行や出張でホテルに宿泊した際、コインランドリーを利用する人は少なくありません。しかし、洗濯が終わっても前の利用者がなかなか取りに来ず、次に使えず困った経験がある人もいるでしょう。そんなとき、善意で洗濯物を取り出した結果、思わぬトラブルに発展することもあります。コインランドリーで起きがちなトラブルの対処法について、坂本尚志弁護士に伺いました。
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洗濯が終わって20分…棚へ移しただけなのに疑われた
夏休みに家族旅行でホテルへ宿泊。翌日は朝早く出発する予定だったため、夕食後、ホテル内のコインランドリーへ向かいました。ところが、洗濯機は4台とも使用中。洗濯機の近くには、「洗濯終了後は速やかにお取りください」と書かれた案内があります。
しばらく待っていると、1台の洗濯が終了しました。しかし、5分待っても、10分待っても利用者は現れません。このままでは、自分たちの洗濯が終わる頃には深夜になってしまいます。
「少し棚へ移動させるくらいなら問題ないだろう」
そう考え、洗濯物をできるだけ丁寧に取り出し、備え付けの棚へ移してから自分の洗濯を始めました。
翌朝、チェックアウトの準備をしていると、ホテルのフロントから部屋に電話がかかってきました。
「昨夜、コインランドリーをご利用されましたか」
事情を聞くと、前の利用者から「洗濯物を勝手に触られたうえ、下着が1枚なくなっている」と申し出があり、話を聞きたいというのです。もちろん、洗濯物を棚へ移しただけで、衣類を持ち去った覚えはありません。
このような場合、善意で洗濯物を移動させた人が法的責任を問われる可能性はあるのでしょうか。
移動したい場合は、ホテル側に相談するのが安心
まず問題になるのは、他人の洗濯物を本人の承諾なく動かしたこと自体に法的な問題があるのかという点です。
ホテルのコインランドリーは共同で利用する設備であり、洗濯が終わっても長時間取りに来ない利用者がいると、次の利用者が使えなくなってしまいます。そのため、やむを得ず洗濯物を移動させる場面は現実にも起こり得ます。
もっとも、「相手が取りに来ないから自由に触って良い」ということにはなりません。乱暴に扱って衣類を破損させたり、床に落として汚したりすれば、その行為について責任を負う可能性があります。
では、「下着がなくなった」と言われた場合はどうでしょうか。相談者が実際に持ち去った事実がなければ、それだけで責任を負うわけではありません。しかし、最後に洗濯物へ触れた人として事情を確認されることは十分考えられます。状況によっては、防犯カメラの映像やホテル側の聞き取りなどを通じて、事実関係を確認することになるでしょう。
また、ホテルによっては、洗濯物の移動はスタッフが対応する運用としている場合もあります。そのため、利用者自身で判断して動かすことが適切だったかどうかは、ホテルの利用規約や運用ルールなども踏まえて個別に判断されることになります。
後味の悪い思いをしないためには、ホテル側を介して対応してもらうことが最も安全な方法といえるでしょう。
※本記事に記載された事例は、特定の事実関係に基づくものではなく、想定ケースとして構成されたものです。実在の相談・事件・人物等とは一切関係ありません。
(Hint-Pot編集部、坂本 尚志)
坂本 尚志(さかもと・たかし)
弁護士。清陵法律事務所所長。プロボクサー。東京大学法学部卒業。詐欺・消費者問題に注力。https://seiryo-law.com/