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“腸活”のために「冷やさない」 猛暑でも続けるべき? 医師が教える熱中症対策との両立

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:安江 千尋

夏の便秘対策と熱中症予防、どう両立する?(写真はイメージ)【写真:写真AC】
夏の便秘対策と熱中症予防、どう両立する?(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 便秘に悩み、夏の間も常温の水を飲んだり、お腹を冷やさないようにしたりと“腸活”を意識している人もいるでしょう。しかし、暑さの中でも「冷やさない」ことを優先していいのでしょうか。暑さに対してまだ油断できない今、熱中症を防ぎながら腸の調子を整えるには、どのような点に気をつけるべきなのか。天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニックの安江千尋院長に伺いました。

 ◇ ◇ ◇

腸を冷やさないための「常温の水」 暑くても続けるべき?

“腸活”を意識して、腸を冷やさないように常温の水を選んでいる人もいるでしょう。しかし、便秘予防では飲み物の温度よりも、必要な水分を継続してとることが重要です。

 暑い日に常温の水が飲みにくく、水分摂取量が減ってしまうのであれば、冷たい水を飲むほうが適切です。冷たい飲み物が便秘を引き起こすという明確な医学的根拠はなく、熱中症対策のためにも避ける必要はありません。

 ただし、胃腸が敏感な人が氷の多い飲み物を一気に飲むと、腹痛や胃もたれ、急な便意、下痢を起こすことがあります。その場合は、常温や少し冷たい程度の飲み物を少量ずつ飲むと良いでしょう。

お腹を冷やしたくない…冷房は我慢すべき?

 飲み物だけでなく、冷房によるお腹の冷えが気になる人もいるでしょう。しかし、屋外と冷房の効いた室内との寒暖差だけで便秘になると断定できる、十分な医学的根拠はありません。「自律神経が乱れて腸が止まる」と単純に説明するのも、正確ではないといいます。

 むしろ注意したいのは、暑さによる生活の変化です。猛暑で外出や散歩が減ったり、冷房の効いた室内で長時間座って過ごしたりすると、活動量が低下。また、暑さで睡眠が浅くなったり、食事や排便の時間が不規則になったりすることも、便秘を悪化させる要因になります。

 冷房は熱中症予防に必要です。腸の冷えを気にして使用を控える必要はありません。冷風を腹部に直接当て続けない、薄手の上着で調節する、長時間座りっぱなしにせず、ときどき立って体を動かすなどして調整すると良いでしょう。

「腸を温める」より意識したいこと

 腸活の一環として、お腹を温めることを意識している人もいるでしょう。温めることで心地良さを感じたり、お腹の張りが和らいだりすることはありますが、「腸を温めれば便秘が治る」という確かな根拠はありません。

 便秘対策として取り入れやすいのが、食後の腸の動きを利用することです。とくに朝食後は「胃結腸反射」によって大腸が動きやすくなるため、室内を5~10分歩いたり、足踏みをしたりしたあとにトイレに座る習慣をつけると良いでしょう。

 排便時は、洋式トイレで足台などを使って膝を少し高くし、前傾姿勢をとるのがポイントです。息を止めて強くいきまず、ゆっくり息を吐きながら腹圧をかけます。

 腸を冷やさないことにこだわるよりも、必要な水分をとり、冷房を適切に使いながら、無理なく続けられる習慣を取り入れることが大切です。暑い時季は、熱中症対策を優先しながら“腸活”を続けましょう。

(Hint-Pot編集部)

安江 千尋(やすえ・ちひろ)

防衛医科大学校医学科卒業。がん研有明病院下部消化管内科副医長を経て、現在は天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック院長。日本内科学会総合内科専門医、日本消化器病学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医。わかりやすく丁寧な診療を心がけ、地域医療に従事している。