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蚊に刺されたら「爪で十字」は逆効果? かゆみを悪化させるNG行動と正しい対処法 医師が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

秋も蚊の活動は活発(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
秋も蚊の活動は活発(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 厳しい暑さが落ち着き始める頃も、蚊の活動が活発になるといわれています。気になるのが、刺されたあとのかゆみや腫れ。「爪で十字をつけるとかゆみが治まる」と耳にしたことがある人もいるでしょう。医学的に効果はあるのでしょうか。蚊に刺されたときの正しい対処法と、やってはいけない“NG行動”について、よしクリニック院長で形成外科専門医の中野貴光先生に伺いました。

 ◇ ◇ ◇

かゆみや腫れの正体はアレルギー反応

 蚊は血を吸う際、血液が固まらないように唾液を注入します。この唾液に含まれる物質に対してアレルギー反応が生じることで、かゆみや腫れといった症状が現れるのです。

 刺された部分に「爪で十字のあとをつける」方法はよく知られていますが、効果は期待できません。蚊に刺された部分に刺激を加えると、かゆみ物質であるヒスタミンが分泌され、むしろかゆみが強くなってしまいます。

 なぜ、十字をつけるとかゆみが治まるといわれるようになったのか、理由は定かではありませんが、刺された部分を「かくよりはまし」だからではないかと考えられます。爪でかくと皮膚が傷つき、赤みや腫れがなかなか治らなくなることもあるでしょう。さらに、傷口から雑菌が入り込むと、化膿したり、伝染性膿痂疹(とびひ)などの皮膚病を引き起こしたりするおそれもあります。

「石けんで洗う」「温める」「冷やす」は有効?

 蚊に刺されたときの応急処置としてよく耳にする方法についても、それぞれ注意点があります。

○石けんで洗う
 表面に付着した唾液などは落とせますが、皮膚の奥に注入されたものまでは洗い流せないため、効果は限定的でしょう。ただし、かかないように医療用テープや絆創膏を貼る前に洗うことは、患部を清潔に保つうえで良いことです。

○温める
 45~50度くらいのお湯などで30秒~1分ほど温めると、かゆみ物質が熱変性して機能を失います。ただし、やけどなどのリスクがあり、十分な温度に達していない場合は血行が促進されてかえってかゆみが増すおそれがあるため注意が必要です。

○冷やす
 一時的な効果はありますが、冷やすのをやめると血行が促進されるため、その後かゆみが増すおそれがあります。

重要なのは、患部を刺激しないこと

 蚊に刺されたときに最も重要なのは、かかないこと、そして爪で十字をつける・叩くなどの刺激を加えないことです。刺激せずにしばらく待てば、かゆみは自然と減少していきます。

 かゆみを抑えるには、炎症を鎮めることが大切です。ステロイドが配合された軟膏やクリーム、ローションなどの外用薬は、炎症を抑え、かゆみや赤み、腫れなどの症状を和らげる効果が期待できます。

 また、強いかゆみから患部をかき崩してしまうと、傷口から細菌が入り、とびひや蜂窩織炎などを引き起こすことがあります。こうした場合は、医療機関を受診しましょう。アレルギー反応が強く出る人もいるため、腫れが強い場合も受診を検討してください。

 たかが蚊に刺されたと油断せず、正しい対処法を知っておくことが、つらいかゆみや思わぬ皮膚トラブルから肌を守ることにつながります。

◇中野貴光(なかの・よしみつ)
形成外科・皮膚科・美容皮膚科「よしクリニック」院長。幼児期に重度の熱傷を負い、一命を取りとめた経験から形成外科医を志す。2019年6月に東京・練馬区で「よしクリニック」を開業。患者の立場に立ったわかりやすい説明と丁寧な治療で信頼を集めている。
【資格】形成外科専門医、熱傷専門医、レーザー専門医、手外科専門医、医学博士

(Hint-Pot編集部)