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「菌活」浸透で拡大するヨーグルト・発酵系飲料市場 女性は「便秘改善&美肌」、男性は「メタボ対策」に期待

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

腸内菌を意識した生活習慣、実際の浸透度はどれくらい?(写真はイメージ)【写真:写真AC】
腸内菌を意識した生活習慣、実際の浸透度はどれくらい?(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 近年は、腸内環境を整えることが健康や美容につながるとされ、「菌活」や「腸活」といった腸内菌を意識した生活習慣を取り入れる人が増加。多くの関連商品が発売されている。株式会社インテージは、全国の20~69歳の男女2261人を対象に「菌活」に関する意識と行動調査を実施。過半数が腸内環境を日頃から「意識」し、男性はメタボ対策、女性は便秘改善&美肌効果を期待していることが分かった。

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市場はこの10年で一気拡大、60代女性の7割超が「腸内環境」を意識

「菌活」アイテムの代表と言えるヨーグルトや主な発酵飲料の商品数推移を見てみると、上昇しているのが分かる。2011年は2000種類未満だったが、「菌活」の言葉が浸透してきた15年には約1.2倍の2307種類に。昨年はヨーグルトと乳酸菌飲料は減ったもののドリンクヨーグルトは1.3倍増、全体としては15年よりも約30種類増えている。

 販売金額も堅調に推移。ヨーグルトは2011年に約2400億円だったが、16年に2954億円に、以降も2500億円を上回る市場規模をキープしている。目を引くのはドリンクヨーグルトの勢い。12年から伸び続け、16年には1300億円を超え、11年に比べて市場規模は3倍近くに拡大。ヨーグルト以上に手軽に乳酸菌が取れるアイテムとして定着している。

「菌活」ブームの中で、生活者はどの程度腸内環境を意識したり、実際に対策を講じたりしているのだろうか。「とても意識している」は1割未満だが、「やや意識している」と合わせると、52%が日頃から意識しているという結果になった。性・年代別に見ると、総じて男性より女性の方が意識している割合が高い傾向があり、中でも60代女性は「とても意識している」が2割近く、「やや意識している」と合わせると7割を超えている。

男女合わせて約3分の1が「風邪/インフルエンザ予防」に期待

 2人に1人以上が意識している腸内環境だが、どういった理由で気にかけているのだろうか。男女別に違いがあり、男性は「ダイエット/メタボの改善」がトップ、「風邪/インフルエンザ予防」「便秘の改善」が続く。一方、女性では、「ダイエット/メタボの改善」は5割弱と男性とほぼ同じ割合で、それ以上に「便秘の改善」が6割超でトップ、2番目は「美肌/肌質改善」が5割の回答を集めた。この2つは女性が特に気にしている健康・美容テーマであることが分かる。女性に絞ると、年齢による傾向の違いも見える。「便秘の改善」は各年代で主な理由になっているが、50~60代より20~40代での回答率が高く、「美肌/肌質改善」「ダイエット/メタボの改善」は20~30代では他の年代より高い。

 腸内環境を意識している人は、具体的にどんなことをしているのか。最も多くの人が選んだのは「善玉菌の働きを助ける食べ物を食べる」。次いで、「善玉菌を食べ物やサプリで摂取する」「お腹を冷やさない」となった。「善玉菌の働きを助ける食べ物」としては「葉物野菜」がトップ。「善玉菌の食べ物やサプリ」ではヨーグルトが86%でトップ、「乳酸飲料/ヨーグルトドリンク」も約6割が取り入れている。

 また、「悪玉菌を増やす食べ物を控える/食べ方に配慮する」と答えた人による主な対策は「肉類を食べる時は野菜を多く摂る」「揚げ物/脂っこいものを控える」がそれぞれ6割、「糖類/糖質を控える」が5割弱の回答を集めた。

 新型コロナウイルス感染の予防として、免疫力を高めることが重要であるという情報もある。「菌活」を意識した食生活はさらに広がっていきそうだ。

(Hint-Pot編集部)