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ダイエット中の「油抜き」は有効? 管理栄養士に聞く 脂質のメリット・デメリット
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教えてくれた人:森川 有子
あぶらって油? 脂? 極端な制限で身体にさまざまな影響も
年末年始の暴飲暴食、運動不足で冬太り……。なにかと「ダイエット」の文字が気になりますが、極端な油制限をしている人もいるかもしれません。そもそも油はダイエットの敵なのでしょうか? あぶらは油? 脂? 健康との関係は? 管理栄養士でダイエットトレーナーとして活躍する森川有子さんに聞きました。
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――ダイエットの敵といわれる「あぶら」。そもそも「あぶら」とは油? 脂? 違いはなんでしょうか?
「一般的に、液体は『油』、固体は『脂』。総称して『油脂』としています。身体に溜まっている皮下脂肪や中性脂肪は? と考えると固体ですから『脂』の字を使っていますね。常温で液体である植物油や魚の油などには不飽和脂肪酸が多く含まれ、固体である肉の脂などには飽和脂肪酸が多く含まれています。油や脂を食べて胃腸で消化・吸収すると脂質になりますが、その過程では、脂質は生体内にとって必要なものであることも確かです。また、脂質は生体の構成成分のひとつ。必須脂肪酸と言われる脂肪酸は『必須』と言われるぐらいですから、生体に必要不可欠であるという意味です」
――脂質の重要な働きとは? ダイエット中には脂質を控えるというイメージがありますが。
「ダイエット中の方は、脂質=NGと思う人もいるかもしれません。しかし、極端な油制限はさけたほうが良いでしょう。まず脂質は重要なエネルギー源となる働きがあります。1gあたりのもつエネルギーは9kcalです。これは三大栄養素(たんぱく質、炭水化物、脂質)のうち、最も高いエネルギーになります。そのほかに主な働きとして、ホルモンや細胞膜、核膜を構成したり、皮下脂肪として、臓器を保護したり、体を寒さから守ったりする働きもあります。 また体内に脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)の吸収を促すなど、重要な役割を担っています」
――ダイエット中も適度な油は必要なんですね。
「脂質には、たくさんの生理的な機能がありますから、当然、極端な油ぬきダイエットを続けると、そういった働きが遮断されてしまうので、身体にさまざまな影響が出てくると思います。今までいろいろな人のダイエットに携わってきましたが、体感としては、極端に油を摂取せずにいると、肌の艶や潤いがなくなり、パサついたり、乾燥してシワになったりします。さらに、腸内の潤いも失われて、便秘にもなりやすくなってしまいます。だからといって取り過ぎると今度は下痢を引き起こしやすくなります。良質な脂質は必要です。油にはさまざまな種類がありますが、どの油であっても主成分は脂肪酸です。ちなみに、脂肪酸とは中性脂肪と同じく脂質の一種です」