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エリザベス女王 異例のテレビ演説に秘められた“無言”のメッセージとは 英紙報じる

著者:森 昌利

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スピーチを行うエリザベス女王【写真:Getty Images】
スピーチを行うエリザベス女王【写真:Getty Images】

新型肺炎で国民にスピーチ「私たちは再び会う」 ブローチと口紅に思いを込める

 新型コロナウイルス感染拡大の影響によりロックダウン(都市封鎖)が続く英国で「We will meet again.(私たちは再び会う)」と呼びかけ、自主隔離の継続を促したエリザベス女王。そのスピーチは英国民のプライドを呼び起こし、閉塞感が高まる人々の心を慰めた。スピーチに臨むにあたり、93歳の女王には心に秘めた思いがあったという。口紅とブローチ。これまでも、カナダにいるメーガン妃とヘンリー王子への思いやEU離脱など、ブローチに意味を込めてきた。女王が今回発信しようとしたメッセージとは?

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 英大衆紙「デイリー・エクスプレス」によると、エリザベス女王の秘めたる思いは、その口紅の色と、グリーンのドレスにマッチしたトルコ石のブローチに込められていたと報じた。

 まずは口紅。記事によると、女王は通常はピンク色を好んでいて、めったに色を変えることがないのだが、今回はオレンジを選択したという。口紅は第二次世界大戦中、「戦時中でも女性の心を明るく励ますもの」として日常必需品以外で唯一配給が許されたアイテムだったと言われている。女王がその色を変えたことは、現在の危機も「自分たちの行動と意思で変えることができる」というメッセージを発したと報じている。つまり、新型コロナウイルスが終焉し、ロックダウンも終わる。そんな「変化を望む」という意思を表しているという。

 そして、高貴な緑の輝きを見せるトルコ石のブローチは1893年に作られたもので、エリザベス女王の祖母、メアリー王妃から受け継ぐ「王家の家宝」。女王自身、公で身に着け始めたのは2014年からだという。このブローチに秘められた思いは、2度の大戦を含め20世紀の混乱を生き抜いたブローチのように「今回の危機も乗り切ろう」というものだ。

 こうした大いなる思いを秘めて臨んだ今回の異例のスピーチ。エリザベス女王の言葉が英国民を慰め、励ましたことで、長引くロックダウンの欲求不満や苦しみ、そして不安を和らげたのは言うまでもない。

(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)