Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

海外ニュース

「幼少期に習得したかった」 アメリカ人夫が我が子に“バイリンガル教育”を熱望 日本語を話せない意外な背景

公開日:  /  更新日:

著者:i-know

サーフィン体験教室に参加。ハワイでは、親の影響で幼い頃からサーフィンを始める人が多い【写真:i-know】
サーフィン体験教室に参加。ハワイでは、親の影響で幼い頃からサーフィンを始める人が多い【写真:i-know】

「子どもをバイリンガルにさせたい」と考えているご家庭が増え、早期英語教育がスタンダードになりつつある、昨今。ハワイ在住の主婦ライター・i-know(いのう)さんの家庭では、意外にもアメリカ人の夫のほうが、子どものバイリンガル教育に熱心だといいます。その背景には、夫自身のある経験がありました。第141回は、「国際結婚家庭における子どもの言語教育」について綴ります。

 ◇ ◇ ◇

4か国語を操る五十嵐カノア選手 私が理想とするバイリンガル像

 日本では、幼少期から英語の塾やインターナショナルスクールなどに、子どもを通わせるご家庭が増えていると聞きます。

「これからの時代、英語は必須」と考える保護者のほうが多いようで、私自身、日本のママ友に「どうやったら、バイリンガルになれるの?」と聞かれることもあります。

 私なりに“バイリンガル教育”について考えてみた結果、言語の習得をゴールにするのではなく、“子ども自身がやりたいこと”や“夢”を叶えるためのツールとして、英語など外国語を勉強するのがベストなのではないかと。そのような個人的な見解を、前回の記事で書かせていただきました。

 そんな私が個人的に「バイリンガルの鑑」だと思っている著名人がいます。それは、東京オリンピックのサーフィン競技で銀メダルを獲得した、五十嵐カノア選手です。

 日本人の両親のもと、アメリカで生まれたカノア選手は、英語、日本語、ポルトガル語、スペイン語の4か国語を操るマルチリンガルとして知られています。インタビューでは流暢な日本語を話し、海外のサーフィン仲間とはポルトガル語やスペイン語で会話したり、メッセージを交わしたりすることもあるそうです。

 世界で活躍し、さまざまな国の人たちと、それぞれの言語でコミュニケーションを取る姿は、とても魅力的。私の周りの男の子ママは「うちの息子も、あんな風に育ってほしい!」と絶賛し、理想のバイリンガル像として映っています。

日本人の母を持ちながら、日本語を話せない夫

 カノア選手のご両親がともに日本人であるのに対し、我が家は日本人の妻×アメリカ人の夫という国際カップル。バイリンガル育児に関して夫の意見はというと、なんと私よりも「我が子をバイリンガルに育てたい」という気持ちが強いです。

 というのも、夫のお母さんは日本生まれ、日本育ちで、はるか昔、結婚を機にアメリカに移住をした日本人。にもかかわらず、夫、そして夫の兄弟は日本語がまったくしゃべれません。

 その背景には、アラ還の夫が子どもだった頃、在米日本人の間では「英語を完璧にして、アメリカで成功することが大事」という空気感があったようで、夫に限らず、その世代の日系2世のほとんどが日本語を習得していません。

 夫は「頭が柔軟な、幼少期に日本語を習得したかった」と悔やんでいるからこそ、「我が子には、絶対にバイリンガルになってほしい」という気持ちが強いようです。

我が家が実践する日本語教育

 では、私が我が子に実践しているバイリンガル教育はというと、まず、日本語のアニメや本に触れさせること。そして、古い童謡だけでなく、「好きすぎて滅!」といった最新のヒット曲を聴かせること。さらには「猿も木から落ちる」などの、ことわざを日常会話に取り入れるようにしています。

 英語と日本語の違いはあれど、おそらく日本でバイリンガル教育をしているご家庭でも、読み書きといった勉強面だけでなく、海外の文化に触れさせることを意識されているのではないでしょうか。

 ただ、私が理想とするバイリンガル教育は、あくまでも「自分のやりたいことを叶えるためのツール」として語学を習得させること。まずは、子どもの“好き”を伸ばすことが優先なので、9歳の息子に漢字の勉強をさせたい気持ちを抑えて、抑えて……、ゆっくりと、バイリンガルへの道を進むようにしています。

(i-know)

i-know(いのう)

大学卒業後、フリーランスライターに。お笑い雑誌やファッション誌で、著名人のインタビューを中心に活躍。34歳のとき日本のキャリアに一区切りをつけ、単身ニューヨークへ。その後、ハワイのロコ(地元民)と結婚し、現在は2人の子ども(8歳、6歳)をバイリンガルに育てるべく奮闘している。