育児・家族

「イクメン」という仮面をかぶった夫たち 育児休業を取得することで満足? 失望した妻たちの本音

著者:和栗 恵

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男性の育児休業取得のさらなる促進が望まれる(写真はイメージ)【写真:写真AC】
男性の育児休業取得のさらなる促進が望まれる(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 厚生労働省が発表した「平成30年度雇用均等基本調査」の結果では、育児休業取得者の割合は女性が82.2%、男性が6.16%。数字で見ると男性の取得率はまだまだ低く、ワンオペ育児は根深い問題になっています。もちろん、育休取得に関係なく、積極的に育児に関与する男性は多いでしょう。しかし、中には育児休業を取得しても、実際に家事や育児にあてる時間は多くないという、いわゆる“取るだけ育休”になってしまっている男性もいるようです。自らをイクメンと思う夫の言動で、かえって夫婦間に亀裂が入ってしまった妻2人に話を聞きました。果たして本音は……?

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2週間の1人旅がしたい! 耳を疑った夫の言葉

 東京都在住の安藤恵里佳さん(仮名・32歳)は、昨年秋に出産。5か月ほど育休を取得し、今年の春に職場復帰しました。

 恵里佳さんのご主人も、出産後すぐに育児休業を1か月間取得したそうです。出産前、ご主人の育休の話をすると周囲からは「イクメンね~」などうらやましがられることが多く、ご主人もまんざらでもなかった様子。

 里帰りをせず、自宅で産後を過ごすことを決めていた恵里佳さんは、そんなご主人に誇らしさと心強さを感じていました。そして、育休中に2人で協力し合えば、その後もきちんと子育てができるだろうと考えていたといいます。

「無事に出産し、1週間ほどで退院して家へ。育休が取れたとはいえ夫が休めるのは1か月のみだったので、今後の子育てや家事、私の仕事復帰についても、夫の育休期間中に夫婦でじっくり話し合おう、そう思っていたんです」

 しかし家に着くと、ご主人から耳を疑いたくなるような言葉が出てきました。何と、恵里佳さんと生まれたばかりの子どもを残して、2週間の1人旅に行くというのです。

「育休って、どういう意味だか分かってる?」と、驚いてそんな言葉しか出てこなかったという恵里佳さん。一方の夫は、本当に不思議そうな顔をして「育休って、子どもが生まれたお祝いみたいなものでしょ?」と答えたそう。

「育休は子どもを養育するための休みであって、遊ぶためのものではないと説明をしました。そもそも2週間もの間、安静に過ごさなければならない産後の妻と新生児を置いて、自分だけ旅行に行こうって思うこと自体がおかしいですよね」

 それでも「せめて3泊4日でいいから!」と食い下がるご主人に対し、恵里佳さんはあまりに腹が立ち、その場で実家に電話。元々、時々手伝いに来てくれる約束をしていた実母に、翌日からしばらく泊まってもらうことにしました。

「私の母の手前さすがに旅行はまずいと思ったのか、突然、甲斐甲斐しく家事育児をし始めました。と言っても、母が到着するまではゴネにゴネていたのですが。半ば無理やりですが子どもと接している内に、自分がおかしなことを言っていたことに気が付いたようで、その後1人旅に行きたいなんて言葉は出てきませんでした」

 恵里佳さんが職場復帰をした春先に、もうひと悶着あったそうですが、今では何とか2人で育児に励んでいるそうです。