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葬儀で記憶に残るものは「故人の顔」 7割が生前の顔との違いを指摘 葬儀に関する調査
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親族・家族の葬儀では9割超が「ご遺体の顔」を見る
故人を見送る「葬儀」は、人生で度々経験する重要な儀式の1つです。近年は葬儀の形式や規模などにさまざまなバリエーションも生まれていますが、故人を悼むという参列者の気持ちだけは今も昔も変わらないでしょう。9月のお彼岸を前に発表された「葬儀」に関するインターネット調査によると、参列者の4割が葬儀で記憶に残るものとして「故人の表情」を挙げたことが分かりました。
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一般社団法人・日本遺体衛生保全協会は2020年3月、1年以内に家族や親族の葬儀に参列した経験がある20~80代の男女500人を対象に、「葬儀」に関するインターネット調査を実施しました。その結果、「葬儀において印象的だったこと・もの」は「故人の遺影」が42%、「故人(ご遺体)の表情」が39%で1位と2位を占める結果に。親族を対象とした調査だけに、葬儀の際はご遺体への関心がひときわ大きいことが浮き彫りになりました。続く回答は「葬儀場の装飾(22%)」「喪主の挨拶(22%)」「参列者の数(19%)」「お坊さんのお経(18%)」が並んでいます。
ご遺体に対する関心の高さは、続く設問でも明確になりました。「葬儀において故人の顔をご覧になりましたか?」との設問では、「見た」が93%で圧倒的な数字に。「葬儀でご覧になった故人の顔(表情・顔つき)は記憶に残っていますか?」との設問でも、「残っている」が96%という結果になりました。この結果の要因には、別れの際に故人の姿を目に焼き付けておきたいという意識もあると考えることができるでしょう。
しかし一方では、ご遺体を見て生前との違いを感じた人も多かったようです。「故人の顔と生前の顔を比べて、表情や顔つきに違いを感じましたか?」との設問では、7割近くに当たる66%が「感じた」と回答しました。実際の感想は以下の通りです。
「表情が硬く、生前の柔和な印象が感じられなくなっていた」(72歳・男性)
「硬直により表情がゆがんで見えた」(73歳・男性)
「闘病でやつれてしまった上に、血色も感じられないので、違う人のようだった」(32歳・女性)
「薬の副作用で、顔色が紫に見えるほど膨張していて、とてもショッキングだった」(58歳・女性)
そこで、ご遺体の顔つきなどを生前に近付けることができる技術「エンバーミング」について質問。言葉の意味を問う設問では「ワード・意味ともに知っている」人は22%、「ワードのみ知っている人」も14%と、認知度は低い状況が明らかになりました。
しかし、技術の概要について説明を受けた後は、59%が「興味がある」と回答。「今後、家族・親族などを送り出す機会があればエンバーミングを検討したい」は56%、「自分の葬儀でもエンバーミングを取り入れてほしい」は49%となり、できる方法があるのなら、生前の元気な姿で見送ること、または自身が見送られることを希望する傾向が強くなっています。
(Hint-Pot編集部)