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ヘンリー王子とメーガン妃 掟破りの政治発言で「エリザベス女王の面目を傷付けない」とする誓約に違反か
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米「タイム」誌イベントでの発言が引き金に
政治的中立を原則とする英王室。それはもちろん、王室の主要メンバーから引退した現在も「サセックス公爵」「公爵夫人」の称号を維持し続けるヘンリー王子とメーガン妃にも当てはまる。しかし2人は、米「タイム」誌の「世界で最も影響力のある100人」発表イベントでのテレビ出演で、米大統領選に言及。英国ではこの行為に対し、“王室引退”時に「エリザベス女王の面目を傷付けない」とした誓約違反に当たるという声が強まっている。
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英高級紙「タイムズ」が掲載した記事によると、ヘンリー王子夫妻が「我々の生涯で最も大切な大統領選挙」「ヘイトスピーチを拒否しよう」と呼びかけ、反トランプとも取れる発言をしたことについて、王室筋は「女王の面目を守ると約束した“誓約違反”に当たるという空気が強まっています」と語り、強い遺憾の意を示したという。
ドナルド・トランプ大統領といえば、現職のアメリカ大統領。英国と米国は兄弟国とも言えるほど密接な関係を誇る同盟国同士。ところが、英国君主の家族が、その最も大切な友好国の大統領を批判する。これは確かに王室、特に直接トランプ大統領を接待する機会も多いエリザベス女王の面目を丸つぶれにする行為だ。
今回の米大統領選は激戦が予想されているが、トランプ大統領再選の可能性も当然高い。そんな状況で英国では、ロイヤルファミリーの主要メンバーだったヘンリー王子夫妻がこのような発言をしたのは「完全に行きすぎ」という空気が広がっている。
ヘンリー王子夫妻の広報は「特定の人物を批判したコメントではない」と語り、2人がトランプ大統領を批判したことを否定したが、これはあまりにも稚拙な言い訳だろう。
一方トランプ大統領も、先日の定例会見で「私は彼女(メーガン妃)の大ファンではないし、そのことは彼女も聞いたことがあると思う」と語り、対決姿勢を明確にしていた。英王室としては米国との関係維持のため、噂されている「夫妻の称号剥奪」などの処置を実現させ、メーガン妃とヘンリー王子との距離を追放に近い形にしようとする動きも出始めているという。
(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)