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コロナ禍の共働き世帯 「家事負担が増えた」のは女性側 それでも夫婦ゲンカが減った理由とは?

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

共働き家庭の家事、どう分担する?(写真はイメージ)【写真:写真AC】
共働き家庭の家事、どう分担する?(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 共働きの家庭が増えた現代において、家事分担は夫婦間における大きな問題の1つといえるでしょう。緊急事態宣言が発令され、外出自粛やリモートワーク、在宅勤務などで自宅にいる時間が増えたことにより、生活様式はこれまでと比べて大きく変化しました。そんな中、共働き世帯の人たちは家事に対してどのような意識を抱いているのでしょうか。

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「家事負担が増えた」と感じているのはやはり女性側

 パナソニック株式会社は2020年6月26日~7月3日、関東(1都6県)・関西(2府4県)に在住する30~49歳の既婚男女計1328人を対象に「2020年 30・40代夫婦のライフスタイル調査第4弾」を実施しました。

 まず、コロナ後の家事負荷について。共働き世帯の911人に平日と休日を分けて質問したところ、コロナ前と比べて平日の家事負荷が「増加した」は男性21.8%、女性29.4%。「変わらない」は男性72.9%、女性59.5%でした。休日の家事負担が「増加した」は男性16.0%、女性24.8%。「変わらない」は男性80.3%、女性71.0%でした。

 家事負荷が増加したと感じている割合は女性の方が高い結果に。これまでは出勤などで外出して家にいないため家事が「できない」状態だったのが、在宅時間が増えたことにより、家事が「できる」環境に置かれる時間が長くなったことが理由の1つに考えられます。

 在宅勤務をしていると家事の総量が増えたと感じるかという質問では、「そう思う」が男性36.6%、女性50.1%という結果に。家事が「できる」環境に置かれた場合に、つい家事に手を出してしまう人の割合は男性よりも女性の方が多いようです。男性側が自発的に手を出さない状況により女性が「動かざるを得ない」、または「家事は女性がやるもの」という女性側の意識が、こういう時に出てしまうのかもしれません。

 そうした意識は、他の調査結果にも表れています。「共働きなら家事を分担すべきか」という質問において、男性は「そう思う」と「ややそう思う」が合わせて58.4%となり、2019年の75.6%から減少。女性も88.4%から75.6%に減少しています。

 ただし「家事代行を使えば心の余裕が生まれると思う」という設問では、「YES」が男性51.9%(2019年は61.6%)、女性66.0%(同59.1%)。「家事を家電に任せれば心の余裕が生まれると思う」という設問でも「YES」が男性64.3%(同71.4%)、女性82.5%(同79.7%)でした。どちらも男性よりも女性が「YES」と回答した割合が高く、また2019年調査よりも増加しています。

家事分担をめぐる夫婦ゲンカは減ったけれど… その背後の意識は?

 これらの結果から、やはりどこか「家事は女性の仕事」という風潮が社会に残っていると考えられます。「家事」と一言で言っても、炊事や洗濯、掃除といった目に見えて分かりやすい大きなものから、ゴミの分別やペーパー類などの補充、子どものケアなど、傍目には分かりにくい細かなものまでさまざまです。特にイレギュラーな家事が発生した場合などは、男女関係なく対応できる人がやるのが理想的ではないでしょうか。

 一方で、夫婦ゲンカなどの夫婦間トラブルは減少しているようです。家事分担によるケンカについて2019年調査では「しょっちゅうある」「結構ある」「1~2度ある」「あったような気がする」を合わせて73.8%でしたが、今回の調査では44.9%に。この結果をどう受け止めるべきでしょうか。「問題がないならいいじゃないか」とする考えも1つですが、前述の「家事代行と心の余裕」に関する結果を見ると、そうとは言い切れません。コロナ禍で顔を合わせる時間が長くなったため、女性側に事なかれ主義の傾向が出ているとも考えられます。

「コロナ禍を経て家事が大変であるという理解が夫婦で深まった」との設問では、「そう思う」と「やや思う」を合わせて男性が32.8%、女性が31.9%に。この結果から、家にいる時間が長くなり、パートナーと過ごす時間も増えた人が多い今だからこそ、お互いの家事分担を見つめ直し、話し合うチャンスとも考えられます。家事代行や新たな家電の導入などを検討してみるなど、それぞれが納得して過ごせる家庭環境を整えて、このコロナ禍をできるだけ気持ち良く乗り越えていけたらいいですね。

(Hint-Pot編集部)