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「終活」してますか? 興味を持っている人は約半数 理由は「迷惑をかけたくない」がトップに
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近年、「終活」という言葉が一般的に認知されるようになりました。関連本も多く出版され、2012年の新語・流行語大賞ではトップテン入り。広く一般に受け入れられ浸透したのは、人生を最期まで謳歌したい、周囲の人になるべく迷惑はかけたくない、と思う人が多くなったことの現れなのでしょう。では、実際に終活をしている人はどの程度いるのでしょうか。
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終活に「興味ある」が実行に移している人は少数
遺産相続に関する法律相談サイト「相続弁護士ナビ」は2020年9月、15歳以上の男女1000人を対象にして「終活」に関するアンケート調査を実施しました。
まず「終活をしていますか?」という設問に対して、「終活をしている」と答えた人は5.2%にとどまりました。一番多かった回答は「終活はしていないが興味はある(46.2%)」で、次いで「終活をしておらず興味もない(34.9%)」、「終活を知らない(13.7%)」と続いています。実際にしている人は少数ながら、「している」「興味がある」を合わせると51.4%となり、「しておらず興味もない」の34.9%を超える結果に。
「終活をしている」「終活に興味がある」と回答した人を対象に、「終活ではどのような取り組みを行っているか、あるいは興味があるか」を尋ねたところ、1位は「預貯金・保険・貴重品などの管理(61.5%)」に。2位は「エンディングノート(47.5%)」、3位は「葬儀・お墓(35.3%)」でした。
最近耳にする「デジタル遺産」を、上記の設問で選択した割合はわずか10.3%。「デジタル遺産」とは、ブログやSNSのアカウント、メールのデータなどを指します。遺族が対処に困る例もあるそうですが、あまり浸透していないことがうかがえます。
では、どういったきっかけで終活に興味を持ったのでしょうか。その理由について尋ねると「家族に迷惑をかけたくないから(62.5%)」が最も多く、「健康なうちに整理したいから(57.5%)」、「いつ何が起こるか分からないから(56.5%)」という回答も多く見られました。家族のことを思えばこそ、自分で出来るうちに終活を進めておきたいと考える人が多いようです。
終活を始める時期は「興味を持ったとき」が約4割
終活の相談先については「親友・友人(32.5%)」という回答が一番多く、「弁護士・司法書士・税理士・行政書士(25.5%)」や「終活カウンセラーなどの終活専門家(13.3%)」といったプロよりも、身近な人に頼りたいと考えている人が多くいることが分かりました。
終活は自分の人生の終わりを迎えるための準備ですから、自分らしい最期を迎えるためにも、お互いよく知っている人の方が安心感を覚えるのでしょう。また、「友人に話す程度には意識しているが、専門家に相談するほど本格的ではない」という微妙なバランスがあるのかもしれません。
調査対象者全員に「終活はいつから始めるべきだと思いますか?」と尋ねたところ、具体的な年齢の選択肢を抜いて1位となったのは「興味を持ったとき(39.6%)」でした。次いで「60代(17.6%)」、「70代(11.7%)」、「50代(8.5%)」と続いています。
終活に興味を持った理由を「いつ何が起こるか分からないから」と回答した人が多かったことからも、ライフプラン通りに物事が進むとは限らないと考えている人が比較的多いとも考えられます。一方で60〜70代を選んだ層は、まだまだ人生を楽しんでいる真っ最中の人なのかもしれません。
人生を謳歌している最中での終活は、なかなか難しいことでしょう。思い立った時に少しずつ準備をしてみたり、家族や友人たちと具体的ではなくても前もって話してみたりすると、後々スムーズに事が運ぶかもしれませんね。また、人生の終わりを意識することで、逆に今生きていることへの意識を新たにできるかもしれません。
(Hint-Pot編集部)