仕事・人生
職場に迷惑をかけたくない! 出産ギリギリまで働くことを選んだ女性たち 職場・夫の反応は
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同僚からの視線がつらい 復帰後に退職を悩む日々
由佳里さん(仮名・35歳)は、小さな広告代理店に勤める兼業ママ。昨年の春に第2子を出産。今年の春に職場復帰しましたが、同僚との間にできてしまった「溝」に悩んでいます。
「妊娠が分かった時、私が主導で動いていたプロジェクトが進行中でした。第2子なので楽観視していたのですが、第1子の時よりもつわりがひどく、一番つらかった時には毎日午前中に病院へ行ってから出勤していたんです」
安定期に入ってもつわりが治まらず、上司の判断でプロジェクトリーダーを降り、休むように促されました。正直、限界に近い状態だったため、悔しさはありながらも、どこかホッとしたといいます。慌てて引き継ぎ用の資料を作り、休職することになりました。
「自分なりに頑張ったつもりだったんですけど、プロジェクトを途中で放棄する結果になってしまった事実は覆せないんですよね。休職する際に、チームの人たちに謝罪したのですが、育休から復帰した今も、同僚からの視線が冷たいのは気のせいではないと思います」
挽回するべく、復帰後は仕事に打ち込みたいと思っていた由佳里さん。しかし、このコロナ禍で在宅ワークとなり、以前のような仕事は回ってこず、居心地の悪い日々を過ごしているそう。また、保育園が一時休園となった時には、急に休んだり、子どもの世話をしながらで仕事が進まなかったりと、周囲にさまざまな迷惑をかけてしまいました。
「こんなに謝ってばかりいると、『私が悪いわけじゃないのに!』って卑屈な気持ちになってしまいますね。このままつらい思いをするくらいなら、いっそ仕事を辞めてしまおうかと悩んでいるところです」
2人に共通しているのは、一緒に働く同僚たちへ“迷惑”をかけてはいけないと、強く感じていること。しかし、必要以上に無理をして、1人で背負いすぎることはありません。介護や病気などで、いつ仕事に支障をきたすか分からないのが現代社会。互いに思いやりを持ち、時には一致団結して会社にかけ合うなど全員で取り組み、誰もが働きやすい職場環境を作っていきたいものです。
(和栗 恵)