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エリザベス女王 夫フィリップ殿下へ贈った最後のカードが泣ける 署名の秘密とは
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4月21日、フィリップ殿下を亡くして初めての誕生日を迎えたエリザベス女王は95歳となった。1947年11月のロイヤルウェディングから、結婚生活だけでも73年余りを数える2人。だが、女王が殿下と出会ったのはそのさらに8年前の1939年、わずか13歳の時だった。当時の殿下は金髪碧眼、長身の18歳美青年。一目惚れした女王が初恋を成就させたとも言われている。そして、知り合って81年の伴侶に捧げた最後のカードには、ごく親しい身内しか呼ばない愛称が記されていたという。
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女王自ら選んだ花の中に手書きのカードが
現地時間17日午後に執り行われたフィリップ殿下の葬儀。殿下がデザインに関与したランドローバー特別車は、自身の棺を静かに運んだ。その上には、ギリシャとデンマーク、マウントバッテン家、エディンバラ公という4つのルーツを示す旗がかけられ、海軍の軍帽とエリザベス女王の父ジョージ6世から贈られた剣、そして女王が自ら選んだ花も。女王が殿下に宛てた最後のカードは、この花の中に添えられていた。
英大衆紙「デイリー・エクスプレス」が掲載した記事によると、このカードには“リリベット(Lillibet)”という名前が記されていたという。これは家族を含めごく親しい身内だけが呼ぶことを許された、女王が幼い頃のニックネームだ。
ギリシャ王子の末息子として生まれながらもクーデターで亡命。フランスで亡命生活を送ったが、姉たちの結婚後は叔父のルイス・マウントバッテン氏(マウントバッテン卿)に引き取られる形で英国に移った殿下。そして1939年、18歳の美丈夫に成長した殿下は“リリベット”と呼ばれていた13歳の女王と出会った。
女王は、家族や親しい友人などへの手紙にもこの名を使っていたという。だが今回は、81年の月日が経っても当時の気持ちが今も変わらず自分の心に宿っていることを、この名で改めて示したかったのではないだろうか。英雑誌「OK!」の記事によると、女王を“リリベット”と呼んでいた人物は殿下が最後ではないかと考えられているという。
女王になるずっと以前から、13歳で出会った男性を生涯愛し続けた。その殿下に対する最後のカードで出会った時の愛称を使い、その変わらぬ想いを表したのだろう。
英大衆紙「デイリー・メール」は、葬儀で1人礼拝堂に座った女王の写真について著名人たちの嘆きを報じた。読者も「とても小さく見える」とコメントを寄せている。第二次世界大戦前から、まさに激動の時代をともに生き抜いてきたパートナーの死去は、女王の心に埋めようがない大きな穴を開け、その姿まで小さくしてしまったに違いない。
女王は今後、ウィンザー城に定住するとの見方が強い。城の敷地内には、殿下の葬儀が行われ、棺が地下に収められた聖ジョージ礼拝堂がある。しばらくは、亡き夫の魂に祈りを捧げる日々となりそうだ。
(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)