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フィリップ殿下の静かで穏やかな最後の日々 ウィンザー城でこの世を去った理由とは
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フィリップ殿下の死去を受け、悲しみに包まれている英国。ロイヤルファミリーはもちろん、殿下と70年以上も連れ添ったエリザベス女王の心境を思うと、胸が痛くなるファンも多いことだろう。王室専門家によると、女王にとっての救いは殿下が過ごした最後の時間に寄り添えたことだという。また、殿下がウィンザー城で最期を迎えたことには、密かな意味もあったようだ。
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少なくともごく最近までは身なりを整えていたと関係者
フィリップ殿下は3月16日の退院後、英ロンドン近郊のウィンザー城に戻った。コロナ禍の影響により約1年前の昨年3月19日には、隠居生活を送っていた別邸サンドリンガム・ハウスからヘリコプターで移動。以降は主にウィンザー城で生活を送り、今年2月からの入院も城内で不調を訴えたことがきっかけだった。
英有名政治家のナイジェル・ファラージ氏は先日、王室専門家から殿下の入院中に、殿下の日々が終わりに近づいていることを聞いていたと証言した。事実であれば、殿下は自らの死期を知りながら退院した可能性もあるだろう。では、その最後の日々はどのように過ぎていったのか。英大衆紙「デイリー・メール」は現地時間9日夜、王室記者リチャード・ケイ氏のコラムでその一部を明らかにした。
同氏はこのコラムで、殿下の死に際し女王にとっての救いとは、ウィンザー城で殿下が過ごした最後の時間に寄り添えたことだったと綴っている。
「彼(フィリップ殿下)の衰えが、人生が終わりに近づいているサインを示す中でも、2人はいつものように一緒の時間を楽しむことができた。最近の彼は1日の大半を寝て過ごすことが多くなっていたが、それでも一緒にいることによる輝きと喜びの瞬間がそこにはあった」
退院後の殿下はしばしば食欲がなく、朝7時30分のモーニングティーもキャンセルされたという。ただしコラム全体からは、殿下が最後まで“病人”として振る舞わず、まるで静かに夕日が沈んでいくようにこの世を去った状況を読み取ることもできる。
関係者は同氏に対し、殿下が少なくともごく最近までは身なりを整えていたと語ったそうだ。気分がいい日には部屋を出ることもあり、外で椅子に座って日光を浴びてうたた寝をしていたという。また、ある時は補聴器を拒否し、スタッフからそれを聞いた女王は、「ということは、私たちが叫ばないといけないわけですね」と返したとしている。