インタビュー

眠る時も一緒…岡本玲の念願だった猫との暮らし 「張り詰めた糸をほぐしてくれる存在」

著者:Hint-Pot編集部・西村 綾乃

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岡本玲さん【写真提供:KAAT神奈川芸術劇場】
岡本玲さん【写真提供:KAAT神奈川芸術劇場】

 テレビドラマや映画など、幅広い分野で存在感ある演技を見せる俳優の岡本玲さん。3年ほど前に、子どもの頃から夢だったという“猫との暮らし”をスタートさせました。2年前に保護猫を迎えた今は、「とろろ」ちゃん(マンチカン・3歳)、「おかか」ちゃん(種別不明・推定4歳)と名付けた2匹の女の子と並んで眠るそう。「スイッチのオンオフをうまくできるようになった」と感謝しています。8月27日からKAAT神奈川芸術劇場で始まる舞台『湊横濱荒狗挽歌~新粧、三人吉三。』(みなとよこはまあらぶるいぬのさけび~しんそう、さんにんきちさ。)を控えて稽古に勤しんでいる岡本さんに、猫との生活について話を伺いました。

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高校生の頃から猫との暮らしに憧れて…写真集を購入したことも

 小学生の時に、ローティーン向けファッション誌「nicola(ニコラ)」(新潮社)のオーディションでグランプリを獲得し、2003年にモデルデビューした岡本さん。10代のカリスマとして支持され、同誌の表紙では歴代1位の登場回数を誇りました。

「高校進学をきっかけに、生まれ育った和歌山県から上京しました。事務所の社長宅で居候をしながら、二足のわらじ生活でした」。豊かな表現力が目に留まり、2007年にはテレビドラマ「生徒諸君!」に、翌年は映画『憐 Ren』で初主演を務めるなど活動の幅を広げました。

「猫との暮らしに憧れたのは、高校生の時。中でもマンチカンが好きで、写真集を買って、学生カバンの中に入れて学校の行き帰りとかに広げていました。昔からモフモフしたものが好きだったんですよね」と振り返ります。

 上京後は、学校と仕事の両立で必死だったという岡本さん。社長宅を出て一人暮らしをするようになってからも、撮影などで地方に行くこともある職業柄、「私は猫を迎えられるのか」と勇気が出なかったそう。夢で終わってしまうのか……。諦めかけていた時、遠方での仕事がない年があり、「今だ!」と行動に出ました。

「友達が紹介してくれたブリーダーのインスタグラムを覗いたら、1匹のマンチカンが目に留まって。マンチカンの子猫って、とろんとしたかわいいおめめをしていると思うのですが、見つけた子は達観した目をしていたんです」

 2日後に初対面を果たした岡本さん。生まれて1か月ほどの猫が、座っていた椅子から滑り落ちても再び登ろうとジャンプを繰り返すおてんばな様子に一目惚れしたそう。「肝が据わっていて、何事にも恐れなさそうな性格」と感じ、「この子となら、やっていける」と決意。生後2か月になるのを待って、自宅に迎えました。

「自分にも周りにも優しく接することができるようになりました」

 昆布を加工した“とろろ昆布”が好きだった岡本さんは、写真集を広げて癒やされていた高校時代から、名前を付けるとしたら「とろろ」に決めていたそう。こうして夢に見ていた猫との共同生活が、約3年前に始まりました。

「実家では両親と2歳上の姉と4人家族。芸能界入りしたのも小学生の時で、自分よりも年下と関わることがなかったんですよね。幼少期に犬がいたことがあったらしいのですが、記憶になくて。だから初めてできた面倒を見なくてはいけない存在でした」

 そうして初めてできた“妹分”ですが「ゲージから出せ出せとうるさくしたり、出てきたなと思ったら行方不明になったり。自分の背丈よりも高いところに登って降りられなくなったこともありました」と語ります。

 骨折などをしては大変と、下ろしてあげていた岡本さんですが、「身をもって危険を感じてもらうことが一番」と手を差し伸べずにいたことがありました。「怖いよ。助けて」というように「ミャー、ミャー」鳴くとろろちゃんに対し、心を鬼にして背を向けた岡本さん。自力で何とか下りてきたとろろちゃんは、初めて体験したつらい仕打ちにいじけて、段ボールでできた遊具の裏に隠れてしまったといいます。

「しばらくして出てきたら、『許して』というように私にすり寄ってきて。顔を舐め回されました」と、初めて経験したしつけについて懐かしそうに語ってくれました。

 また、念願だった猫との暮らしは、仕事人の岡本さんを大きく変えてくれたそう。

「15歳で上京してから、ずっと東京は仕事をする“戦いの場”でした。芸能界で生きていくためには、頑張らなくちゃいけないんだと、いつも気を張っていたんです。撮影をしている最中は、演じている役のまま、プライベートでもその性格を引きずってしまうことが多くて。自分でもまずいと思って、リラックス効果があるアロマオイルを試してみたりしたのですが、なかなか緊張状態が抜けなくて。帰宅してもホッとできる場所がなかったんです」

 そんな殺伐とした日々に安らぎをくれたのが、とろろちゃんでした。

「帰ったら、『おかえり』と迎えてくれて、『遊んでー』と甘えてくれた。自宅がようやく帰る場所になったんです。とろろを撫でていると、『家に帰ってきたんだ』と仕事を忘れられるようになった。スイッチをオフにできるようになったことで、心に余裕が生まれ自分にも周りにも優しく接することができるようになりました」と笑顔。周囲も「表情が優しくなった」とその変化に気付いているようです。