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生理不順の正確な定義とは? 基礎疾患やダイエット…まずは原因を知ることが大切
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教えてくれた人:高橋 怜奈
女性が自分の体について深く知ろうとする時、ホルモンの存在は無視できませんよね。そのため、生理周期をバロメーターにしている人もいるのではないでしょうか。初潮を迎えてから閉経するまでの期間は平均で35~40年。長い付き合いになる生理ですが、生理不順に関する悩みを訴える人も多いようです。そこで今回は、生理不順の種類や考えられる原因、解消法などについて「フェムテックtv」が解説します。講師はTikTokでの情報発信で話題の産婦人科医、高橋怜奈先生です。(※「高」は「はしごだか」)
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そもそも生理不順って何? 正確な定義を知ろう
まず「生理不順」とはどういう状態を指すのでしょう? TikTokでの情報発信やプロボクサーとしての活動で話題を呼んでいる産婦人科医、高橋怜奈先生に話を伺いました。
「生理が終わり、次の生理が始まるまでの期間を示す『生理周期』は、医学用語で『月経周期』と呼ばれます。この周期が25~38日間以内であれば、一般的に正常の範囲内とされています。そして、生理期間目安は3~7日間です。これらに当てはまらない場合が『生理不順』になります」
また、正常の範囲内である25~38日間より長いか短いかで、生理不順にも種類があるそうです。
「ただし、生理周期は多少ずれることもあります。ずれが1週間以内に収まっている場合は不順には該当しません。『いつもとちょっと違うかも』と判断できるように、自分の生理周期を把握しておくことは大切です」
○稀発月経(きはつげっけい)
生理周期が39日間以上と長いケース。体質によって排卵に長い時間がかかる場合と、ホルモンの分泌や卵巣機能などのトラブルによって排卵がなく、生理が来ないパターンがある。
○頻発月経(ひんぱつげっけい)
生理周期が24日間以内と短いケース。排卵を伴わない生理として、ホルモン分泌が不安定な思春期、卵巣機能が低下した更年期によくみられる。
○続発性無月経(ぞくはつせいむげっけい)
妊娠していないのに3か月以上生理が来ないケース。18歳以上になっても生理が始まらない「原発性無月経」ではなく、生理のあった人が途中で来なくなってしまうことを指す。過度なダイエットやストレスなどでも発生。
経血量も目安になる 考えられる生理不順の原因とは?
高橋先生によると、生理周期と同様に経血の量や状態もバロメーターになるそう。正常な経血の量は1回の生理期間で20~140ミリリットル。20ミリリットル未満は「過少月経」、140ミリリットル以上は「過多月経」と呼ばれるそうです。
○過少月経:1回の生理期間で20ミリリットル未満
・2日目でもナプキンに血が軽く付く程度
・おりものシートでも間に合う
経血量が少なく出血が2日以内で終わる場合は「過短(かたん)月経」と言われ、子宮の病気や無排卵周期症、甲状腺ホルモンの分泌異常などが考えられます。
○過多月経:1回の生理期間で140ミリリットル以上
・昼間でも夜用を使っている
・1時間おきに交換しないと間に合わない
・500円玉サイズの血の塊がある
出血が8日間以上続く場合は「過長(かちょう)月経」が考えられます。子宮筋腫や子宮腺筋症などの病気の可能性も。長期間に多く出血するため、貧血の症状が現れる人もいます。
また、生理不順は子宮や卵巣、甲状腺などの病気によって起きている場合もありますが、過度なダイエットやストレスによるホルモンバランスの乱れ、不規則な生活が原因のケースも少なくないそうです。
「特にダイエットとストレスは、現代人には見逃せないキーワードです。体重は適正を維持することが望ましく、急激な体重増減や、逆に体重増加も生理不順につながる原因となります。そして、現代人はストレスフルだと言われているため、ストレスによるホルモンバランスへの影響は無視できません。意識的に解消していきましょう」