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ヘンリー王子夫妻の非公式伝記 加筆部分でも新暴露か 専門家は「被害者意識」と痛烈批判

著者:森 昌利

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ヘンリー王子とメーガン妃【写真:AP】
ヘンリー王子とメーガン妃【写真:AP】

“王室引退”からわずか4か月後の昨年8月に出版され、世界の話題をさらったヘンリー王子夫妻の非公式伝記「Finding Freedom(日本語版「自由を求めて ハリーとメーガン 新しいロイヤルファミリーを作る」扶桑社刊)」。2人が出会った2016年から“王室引退”の2020年前半までが綴られたこの内容に、今年前半までの1年分が加筆される(英語版のみ)という発表は大きな話題になった。発売日はダイアナ元妃の命日である8月31日。英紙は一足先に入手したその内容を報じている。

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英紙が9つの加筆ポイントを紹介

“王室引退”で自由になってからも、メディアの注目を集め続けた激動の1年間。英大衆紙「デイリー・メール」は現地時間25日午後10時に掲載した記事で、加筆改訂版に登場するポイントを伝えた。

 まずは、3月放送のインタビューで暴露された“人種差別的発言をしたとされる王室メンバー”について。メーガン妃は名を明かそうと考えたが、「王室に与えるダメージがあまりにも大きい」としてそれには至らなかったという。

 続いて、インタビューをめぐる妃の反応も加筆されるそうだ。ウイリアム王子の激怒が報じられている一方、妃はそれまで語られなかった自分たちの真実を世に送り出せたことで、“カタルシスと開放感”を味わったという。

 この他に、同紙は7つのポイントを伝えている。

○妃がフィリップ殿下の葬儀に出席しなかったことで、王室メンバーは余計な雑音が生じずに済んだと“静かに喜んだ”。

○ヘンリー王子は“王室引退”後も兄ウイリアム王子と数回連絡を取り合っているが、父チャールズ皇太子とは“軽い会話”しか交わしていない。

○長男アーチーくんに与えられなかった“プリンス”の称号について、王室側は王子夫妻が「辞退した」とメディアに伝えたが、それは嘘。辞退はしておらず、王子夫妻は“プリンス”の称号を持たせたかった。

○王室側は妃のいじめ疑惑について迅速に調査を始めたが、妃が訴えた人種差別問題についてはまったく動こうとしなかった。

○軍隊経験を何よりも誇りとする王子は、「リメンブランス・サンデー」(第一次世界大戦の終戦記念日に最も近い日曜日に毎年実施される戦没者追悼式典)に自分の名前を記した花輪を献花できなかったことでひどく落ち込んだ。

○“王室引退”後の王子夫妻は、ダイアナ元妃の遺産がなければ生きていくことができなかった。

○2018年5月にヘンリー王子と結婚した際、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子から妃に贈られたダイヤモンドイヤリング。皇太子が同年10月のジャーナリスト殺人事件に関与したとする疑惑がある中、妃は同月下旬のフィジー訪問でそのイヤリングを着用したが、イヤリングが皇太子から贈られたものだとは知らなかった。

 ちなみにイヤリングをめぐる件では、英高級紙「タイムズ」が今年3月、当時の王子夫妻が王室スタッフに「借りた」と説明したことを妃のいじめ疑惑と併せて報道。王子夫妻の弁護士はその後、当時の妃が皇太子の疑惑を知らなかったと主張した。次いで「メール」紙は情報筋の話として、「着用を控えるように」という王室スタッフの忠告を妃が無視したとも伝えていた。

王室作家は「被害者意識に取り憑かれている」とバッサリ

 ここまで挙げられた加筆改訂版の内容を見る限り、どうもやや苦しさを感じてしまうのは気のせいか。英大衆紙「デイリー・スター」は現地時間25日、加筆改訂版に対する王室専門家からの批判を伝えている。

 2017年にヘンリー王子の公式伝記本を出版した王室作家アンジェラ・レヴィン氏は同日、英ニュース専門放送局「GBニュース」の番組に出演し、今回の加筆改訂版について「ハリー(ヘンリー王子の愛称)はどうも被害者意識に取り憑かれているようです」とズバリと指摘した。

 もちろん12歳で愛する母親を失った悲しみは非常に深いものだろうが、王位継承順位6位の王子として受けた恩恵も計り知れないはず。それがなぜ、今は被害者意識ばかりを世間に訴えるようになってしまったのか。とは言っても、この加筆部分も公式な王子夫妻の協力は一切ないとされている。

 王室作家によってバッサリと切り捨てられてしまう王子夫妻の非公式伝記。3月放送のインタビュー以降、公に身内批判をしてきた2人の人気下降に歯止めをかける一冊になるのだろうか。

(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)