暮らし

「おはぎ」と「ぼたもち」は何が違う? 秋分の日とお彼岸 知っておきたい基礎知識

著者:鶴丸 和子

タグ: , ,

秋分の日の頃に咲くヒガンバナ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
秋分の日の頃に咲くヒガンバナ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

「秋分の日」は国民の祝日の一つで、2021年は9月23日です。昼と夜の長さがほぼ同じになる日で、この日を境にだんだんと日の出が遅く、また日の入りが早くなります。また、秋が深まっていくこの日はお彼岸の中日。お供え物の定番「おはぎ」や「ぼたもち」の違いなども解説します。

 ◇ ◇ ◇

毎年同じ日ではない お彼岸との関係は?

 秋分の日は太陽が真東から昇り、真西に沈む一日。つまり、3月の春分の日と同様に昼と夜の長さがほぼ等しくなる日です。天文学上では太陽が秋分点を通過した瞬間を含む日とされ、国立天文台の「暦象年表」に基づき決定されます。したがって、必ずしも毎年9月23日になるとは限りません。

 毎年この日、宮中では歴代の天皇や皇族の霊をまつる祭儀が執り行われます。そこで1948年の「国民の祝日に関する法律」により、「祖先を敬い、亡くなった人々を偲ぶ日」として国民の祝日・秋分の日が制定されました。

 また、秋分の日は「秋のお彼岸」の中日でもあります。秋のお彼岸は秋分の日の前後それぞれ3日間を含んだ1週間となり、2021年は9月20日が彼岸の入り(彼岸入り)、26日が彼岸の明け(彼岸明け)です。

 彼岸とは、仏教の言葉でいわゆる「あの世」のこと。仏様やご先祖様がいる迷いのない極楽の世界を意味し、西にあるとされています。反対に、迷いや煩悩に満ちた私たちが生きる世界を「此岸(しがん)」と呼び、あるとされる方角は東です。

 そこで、太陽が真東に昇り真西に沈む秋分の日は、春分の日と同様に「彼岸と此岸が最も近くなって通じやすくなる」と考えられました。そして、自分自身も極楽浄土へ近づくために、この時期に先祖の供養をする日本独自の風習につながったようです。

 この時期によく見かける花としてヒガンバナ(彼岸花)があります。秋のお彼岸の頃に開花することが名前の由来と言われています。すっと伸びた茎先で、まるで空へ向かうように一斉に開く真っ赤な花が圧巻です。「地獄花」や「幽霊花」、「死人花」など不穏な別名もありますが、仏典では天上の花として「曼殊沙華(まんじゅしゃげ)」の別名で呼ばれ、めでたい花とされています。