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ヘンリー王子夫妻の“王室引退” 専門家は時期尚早の決断と主張 その理由とは

公開日:  /  更新日:

著者:森 昌利

ヘンリー王子とメーガン妃【写真:AP】
ヘンリー王子とメーガン妃【写真:AP】

 現地時間11日、チャールズ皇太子の環境に関するインタビューが英公共放送BBCで放送された。また、今月末から開催される第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)では一連のイベントにエリザベス女王ら5人の出席を予定しているなど、世界の環境問題をリードする英王室。こうした状況から、「ヘンリー王子夫妻の“王室引退”は時期尚早だったのではないか」とオーストラリアの王室専門家が主張し、話題になっている。

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英王室に訪れたパラダイムシフト「仕事はもはや発言ではなく行動によるもの」

 1970年代から環境問題に取り組むチャールズ皇太子。現地時間11日にBBCで放送されたインタビューでは、スコットランドのバルモラルで自然の素晴らしさについて語り、環境破壊を「心の底から心配している」と発言。COP26で交渉が決裂すれば「(地球が)重大なリスクを背負うことになる」と、世界に向けて強い危機感を訴えた。

 また、英グラスゴーで開催されるCOP26では、ホスト国を代表してエリザベス女王とチャールズ皇太子、カミラ夫人、ウイリアム王子、キャサリン妃が一連のイベントに出席する予定。さらに近頃は、ウイリアム王子が環境賞「アースショット賞」を創設したことも大きな話題を呼ぶなど、環境問題に対する英王室の動きは活発だ。

 こうした英王室の姿勢を受けて、豪ウェブニュースメディア「news.com.au」の王室ジャーナリストであるダニエラ・エルザー氏は、ヘンリー王子とメーガン妃の“王室引退”が時期尚早だったのではないかと主張した。

 同氏は現地時間12日に公開されたオピニオン記事で、環境問題などに対する王室の積極的な関与を指摘。それらは「王室が自らの支持を実行できるというエキサイティングな新展開であり、ハリー(ヘンリー王子の愛称)とメーガン(妃)のサセックス公爵夫妻が時期尚早に自らを切り捨ててしまったもの」だとした。

 COP26の関連イベントに女王と皇太子夫妻、ウイリアム王子夫妻の5人が参加することについては、「世界は恐らくこれまで、(ロイヤル)アスコットやクリスマス以外でこれほど多くの王室メンバーが登場する場面を見たことがない」と、その特別性に言及。さらに環境問題以外にも、キャサリン妃による幼児教育への積極的な関与などを挙げた。

 こうした“パラダイムシフト”を起こしている要因は「王室の仕事はもはや発言によるものではなく行動によるものであると定義されていること」だという。そして「(今の)ハリーとメーガンがこの真っ只中にいたとしたら、王室における現在のコンセプトがどれほど強力であったか想像してください」と綴り、王室に残っていればこうした活動で中心的な存在感を示せたはずだと指摘した。

(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)