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ヘンリー王子 兄の環境賞授賞式直前に環境保護訴える記事 英紙はタイミングを疑問視

公開日:  /  更新日:

著者:森 昌利

ヘンリー王子【写真:AP】
ヘンリー王子【写真:AP】

 2030年までの向こう10年間で、地球に関する5つの課題に対し有益なアイデアを募集する「アースショット賞」。ウイリアム王子が真正面から取り組むプロジェクトだが、その直前にヘンリー王子がアフリカの環境保護を訴えるオピニオン記事を発表した。

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強い言葉で石油採掘の停止を訴えた

 自然を保護して回復させる。大切な大気を浄化する。海をよみがえらせる。ゴミの出ない世界を作る。気候変動を修復する。ウイリアム王子が創設した「アースショット賞」は、2030年までの10年間でこの5つの課題について有益なアイデアを募集するもの。その第1回の受賞者は現地時間17日に発表されたが、その直前にヘンリー王子もアフリカの環境保護を訴えていた。

 ヘンリー王子は米紙「ワシントン・ポスト」に環境保全活動家のラインホールド・マンガンドゥ氏と共同でオピニオン記事を発表。アフリカ南部を走るオカヴァンゴ川の保護を訴えた。

 記事によると、オカヴァンゴ川はアンゴラからナミビアを経由し、ボツワナまで届く全長1600キロの大河。この流域で行われている石油採掘が自然を著しく破壊し、大問題に発展しているという。

 そのため王子とマンガンドゥ氏は「自然界のいくつかのものは人間が手を触れないことが最善。これもその一つです」とした上で、「このような間違いを犯せば、そのダメージは永久に取り戻せないものになる」と強い言葉で石油採掘の停止を訴えた。

 しかし英大衆紙「デイリー・エクスプレス」は「アースショット賞」受賞者発表の直前にこの記事を公表したタイミングを疑問視。王室時代に二酸化炭素の排出を抑え、地球に優しい旅行を提唱するイニシアチブ「トラベリスト」を立ち上げながらも「プライベートジェットの利用を止めずに批判を集めている」として、またもここでヘンリー王子のダブルスタンダードを指摘している。

(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)