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深まる秋と冬の足音を示す「霜降」 木枯らし1号との関係は? 二十四節気で知る四季

著者:鶴丸 和子

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霜が降りた葉(写真はイメージ)【写真:写真AC】
霜が降りた葉(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 木枯らし1号を予測するニュースが流れるなど、いよいよ秋も終盤。冬の足音が少しずつ近づいてきました。1年を四季に分け、さらにそれぞれ6つに分けた季節の目安「二十四節気」では2021年10月23日が「霜降(そうこう)」にあたり、立冬(2021年11月7日)前までの15日間を指すこともあります。冷たい風や色付く山々に季節の移ろいを感じる「霜降」について、少し深く知ってみましょう。

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二十四節気「霜降」とは

「霜降」とは、朝晩がさらに冷え込むことで出始めていた露が、いよいよ「霜」となって「降」り始める頃を言います。霜が降る寒い地方では、朝になると葉が白くなってまるで砂糖菓子のように見える季節です。

 また一雨ごとに葉の色を濃く染め上げるこの時期の雨を、「八入(やしお)の雨」とも呼びます。「八入」とは染色の際に何度も染料に浸して濃く染め上げること。昔の人は深まりゆく秋を染物に例えました。

木枯らし1号はいつ吹く風?

 風が冷たくなってくると、木枯らし1号に関するニュースが流れ始めます。しかし実は、木枯らし1号の観測発表は東京と近畿地方のみ。気象庁の報道発表によると、認定の条件は「西高東低の気圧配置」「最大風速8メートル以上のもの」で、「東京は西北西から北向き」「近畿地方は総合判断で北寄り」に吹く風を言います。

 東京と近畿地方では観測する時期も異なります。東京は「10月半ばから11月末まで」ですが、近畿地方は「霜降から冬至(2021年12月22日)まで」です。つまり近畿地方では霜降の10月23日より木枯らし1号を観測する季節が始まります。

 木枯らし1号は毎年必ず発生するものではありません。2018年と2019年の東京では、認定の条件に当てはまる風が該当する時期に吹かず、2年連続で発生の発表はありませんでした。

紅葉シーズンの到来

奈良県の竜田川の紅葉(写真はイメージ)【写真:写真AC】
奈良県の竜田川の紅葉(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 山も装いを変えて美しい紅葉で彩られていきます。春は「山笑う」、夏は「山滴(やましたた)る」、冬は「山眠る」で、秋は「山粧(やまよそお)う」。北国や高地の山々は色付き始め、紅葉前線は次第に平地にも南下します。

「モミジ」という言葉の語源は諸説ありますが、ベニバナの花びらを揉んで黄色や紅色の色素を出す「揉み出づ(いず)」に由来するのが有力なようです。「草木が黄色や赤色になる」意味が「もみず(紅葉ず)」となり、「モミジ」になったと言われています。

 いわゆる「落葉樹」と呼ばれる木々が紅葉していきます。カエデは葉の形が「カエルの手」に似ていることからその名が付いたとか。この他ツタ、イチョウ、ハゼ、ウルシなど、美しい色合いで山を“お化粧”し始めます。

 紅葉を眺めることを「紅葉(もみじ)狩り」と言いますが、この「狩り」は何か獲物を「狩る」のではなく、野山に分け入って紅葉を求めて歩き回ることを狩猟に例えたと言われます。平安時代の頃にはすでにあった風習のようです。

 紅葉にまつわる「姫」もいます。紅葉の名所として有名な奈良県の竜田川や公園では、当地の伝説に竜田山の「竜田姫」が登場します。竜田姫は染色と裁縫が得意で、袖を振ることで山を染めていったとされました。

 日々時間に追われていると季節の移ろいに気付きにくいものですが、「霜降」は冬に向けての変化を楽しむ時期と言えます。寒い朝に降りた霜の輝きや風の冷たさ、葉の色など、身近にある自然から感じ取ることができるでしょう。

(鶴丸 和子)

鶴丸 和子(つるまる・かずこ)

和文化 暦ライター、手相見。激務に体調を崩しながらも突っ走っていた40代。ふと窓から見えた夕焼けの美しさに感動し、季節の移ろいや自然のリズムを大切にする暮らしに気付く。長年積み重ねられた「先人の知恵」をヒントに健やかで楽しく生きる情報を発信。「日々の小さな幸せ」に敏感でいよう。
インスタグラム:https://www.instagram.com/tsurumarukazu/