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干しシイタケと生 ビタミンCが含まれているのはどっち? おいしい食べ方の違いも
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教えてくれた人:和漢 歩実
秋の味覚といえばキノコ。その中でもシイタケは、日本の食卓に身近な存在です。世界では「Shiitake」の名前で知られています。生でも干したものでも、煮ても焼いてもおいしいシイタケはヘルシーな食材。栄養価や扱いのポイントなどを栄養士の和漢歩実さんに聞きました。
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身近な存在の秋の味覚 江戸時代には栽培方法が開発
シイタケが日本でいつから食べられているかは諸説ありますが、鎌倉時代の頃にはすでに食用されていたと見られています。江戸時代には現在の「原木栽培」の基盤となる栽培方法が開発されて、出回るようになったそうです。ちなみに原木栽培とはシイ、クヌギなどの丸太に種菌を植える栽培方法です。シイタケの名は、シイの木に育つことが由来しているなどとも言われています。
またおがくずに米ぬかなどを混ぜて固めたものに種菌を繁殖させて作る「菌床栽培」が定着して、年間を通して安定して大量生産ができるようになりました。天候に左右されないので、現在の店頭に並ぶシイタケは菌床栽培のほうが多く、原木栽培は希少になっています。気になる人は、パッケージに「菌床」か「原木」かの栽培方法が書いてあるのでチェックすると良いでしょう。
シイタケの学名は「Lentinula edodes(レンチィヌラ エドデス)」。読み方が「江戸デス」となることから日本の江戸時代に関係があると見られることもあるようですが、学名の「エドデス」は江戸ではなく、ギリシャ語で「食用となる」の意味を持つ単語に由来しているとされています。
また、シイタケは生でも乾燥したものでも食べられます。ちなみに干しシイタケにはさまざまな呼び方がありますが、かさの開き具合などの見た目で分けられています。「どんこ」は、かさの開き方が60~80%。肉厚で軸も太いです。「香信(こうしん)」はかさが全開のものです。肉が薄くて軸も太くありません。開き具合が中間のものを「こうこ」と呼びます。