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干しシイタケと生 ビタミンCが含まれているのはどっち? おいしい食べ方の違いも

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

生シイタケと干しシイタケ 主な栄養価を比較

干しシイタケ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
干しシイタケ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 日本食品標準成分表2020年版(八訂)をもとに、生シイタケは菌床栽培と原木栽培、干し(乾)シイタケの3つの100グラムあたりの成分を解説します。

◯エネルギー(水分量)
生(菌床栽培):25キロカロリー(89.6グラム)
生(原木栽培):34キロカロリー(88.3グラム)
干し(乾):258キロカロリー(9.1グラム)

◯食物繊維
生(菌床栽培):4.9グラム
生(原木栽培):5.5グラム
干し(乾):46.7グラム

◯ビタミンD
生(菌床栽培):0.3マイクログラム
生(原木栽培):0.4マイクログラム
干し(乾):17.0マイクログラム

シイタケを日光に当てるとビタミンDが豊富に(写真はイメージ)【写真:写真AC】
シイタケを日光に当てるとビタミンDが豊富に(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 干しシイタケは水分が少ない分、エネルギー量が高くなりますが、食物繊維やビタミンDも増加します。特にビタミンDは、カルシウムの吸収率を上げると言われ、骨の健康には欠かせません。また生シイタケを始めキノコ類はビタミンCを含まないのが特徴ですが、干しシイタケにはビタミンC(20ミリグラム)が存在します。

 ビタミンDについて補足すると、生シイタケに多く含まれる「エルゴステロール」という成分が、紫外線に当たるとビタミンD2に変換されます。そのため、干しシイタケはビタミンDを豊富に含む食材になるのです。生シイタケを紫外線に30分程度当てるだけで増えると言われています。1日に成人が必要とされているビタミンD量を干しシイタケ1枚で摂取できます。

 シイタケを乾燥させることで、旨味や香り成分が増します。旨味成分はグアニル酸です。干しシイタケはだしとして使われることが多く、煮物や汁物の具、寿司だねなどに用いられます。生シイタケは食感を楽しめる焼き物や天ぷら、鍋物などに使うとおいしいですね。

 その他、生シイタケや干しシイタケには、血中のコレステロールを調整するエリタデニン、免疫細胞の活性化に一役買うβグルカン(レンチナン)などが含まれています。現代人が摂取した栄養素がいっぱい詰まっています。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾