どうぶつ
誤飲で緊急手術 生死をさまよったねこに「おかえり」と愛猫家がエール
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秋が深まり、温もりが恋しい季節。大切なペットとのスキンシップは最大の癒やしですね。優しい飼い主さんに撫でられて幸せそうに目を閉じているのは、ソマリの中でも印象的な赤褐色の毛色をしたねこ。穏やかな表情からは想像もできない困難を乗り越え、元気に回復したねこの動画がツイッター上で注目を集めています。投稿について、飼い主さんに話を伺いました。
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緊急手術を経て回復 飼い主さんの脚を抱いて寝る甘えん坊に
大好きな飼い主さんに撫でられて甘えているのは、ソマリの「ホタテ」ちゃん。4歳になる女の子です。
「離れニャいで」とでも言うように、飼い主さんの脚に両足を巻き付けて眠るなど、飼い主さんの匂いと温もりが大好き。「よしよし」と撫でられうっとりする様子を撮影した飼い主さんは「これからもたくさん撫でさせてね」という一文とともに動画を投稿しました。
現在は穏やかな日々を送っているホタテちゃんですが、実は8月末に緊急手術を受けて生死をさまよった時期があったといいます。
異変は突然起こりました。外出から戻った飼い主さんは、帰宅後に目をやったホタテちゃんが口から紐と棒をぶら下げて歩く姿に仰天。「異常事態と思わざるを得ませんでした」と緊張の瞬間を振り返ります。
異変に気付いた飼い主さんはすぐさま動物病院へ。「誤飲したことが確実でしたので、内視鏡検査はすぐに決まりました。開腹手術は胃から腸に流れてしまっていたら実施するかもしれないと言われました」と緊迫した瞬間を思い返してくれました。
誤飲した紐が腸まで達していることが検査で判明し、すぐに手術が決まりました。「どうか生きていて、もう一度会わせてくださいと何度も祈りました」。約3時間かかった手術の間は、不安から飼い主さん自身も過呼吸になるなど心が休まらなかったといいます。
それまで楽しい時間で埋められていた投稿は、「ほっちゃんさえいれば、他には何もいりません。どうか、元気になって私の元に戻ってきますように」など、飼い主さんの心の叫びが綴られるようになりました。
ホタテちゃんの目が覚めたのは手術の翌日。「意識が戻りました。今のところ、容体の急変はありません」と病院から一報を受け、「『おかえり』って言えますように」と思いが募ります。
退院したのは手術から6日目のことでした。身近にあるものが家族の命を奪う危険があることを知った飼い主さんは「二度と愛猫を苦しめることがないよう、再発防止に努めよう」と決意。飼い主としての自覚と責任を新たに、紐だけでなくねこを取り巻くあらゆるリスクについて勉強したそうです。
術後は後遺症も心配されたホタテちゃんでしたが、幸いなことに問題なく食欲も少しずつ戻り、注目された動画を撮影した日は穏やかな表情を見せていました。「これからもたくさん撫でさせてね」という飼い主さんの言葉には、安堵がにじみ出ています。
一連の投稿を見守っていたフォロワーからは「頑張れ、ほっちゃん。みんな祈ってます」「神だの仏だの一切信じてませんが今回ばかりは助けたってください。お願いします」「ほっちゃん頑張ったね。本当に頑張ってくれてありがとうの気持ちでいっぱいです。涙があふれてきます」「ほっちゃんおかえりなさい!! みんなで待ってましたよ」「家族にも共有し、改めて大切な小さな家族を守るため襟を正しました。立てたシッポ、澄んだ瞳を拝見して胸が熱くなりました」「これからもたくさん愛し愛され幸せな日々を送ってね」「うっとりした顔がかわいすぎます」など、回復を祈る声や喜ぶ声がリプライ(返信)欄に寄せられました。
たくさんの反響に飼い主さんは「『もう二度と生きて会えないかもしれない』という絶望感に駆られた時、友人やフォロワーさんの応援や祈り、励ましには本当に救われました」と感謝しています。
また「誤飲させてしまってから毎日、後悔と懺悔の気持ちでいっぱいでした。だから当時の自分にとっては、周囲で同じ悲劇が起こらないようにすることがせめてもの償いでした。『皆さんの大切な愛猫ちゃんたちがほっちゃんと同じ目に遭わないでほしい、そして皆さん自身も私のような絶望を味わわないでほしい』。そう願って自分のできる限りを尽くす思いで一連の投稿を続けました」と胸の内を明かしてくれました。