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メーガン妃の主張が崩れた? 提出された証人陳述書の中身とは 後日に新たな公開も
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メーガン妃が父トーマス・マークルさんに送った直筆の手紙、その紙面掲載をめぐる裁判で英大衆紙の運営企業側が控訴した。英控訴院(裁判所)はこの訴えについて現地時間9日から3日間の審理を開き、さらに企業側が提出したヘンリー王子夫妻の元広報官による証人陳述書を公開。現地時間12日にはメディア側の申請に応じ、証人が提出したチャットとメールの全文も公開した。ここで全体の流れを振り返ってみよう。
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ヘンリー王子夫妻の元報道官が証人として登場
この裁判は、メーガン妃が英大衆紙「メール・オン・サンデー」(デイリー・メール日曜版)などの運営企業「アソシエーティド・ニューズペーパーズ(ANL)」をプライバシー侵害などで訴えたもの。英ロンドンの高等法院は2月、報道は「明らかに行きすぎで違法」として妃の訴えを認める略式判決を下していた。ちなみに略式判決は、昨年10月に妃側が裁判延期とともに申し立ていたものだ。
手紙は公開を意図して書かれたと主張するANL側は、この判決を不服として控訴。9日からその訴えに対する審理が始まった。英大衆紙「デイリー・メール」によると、11日の審理終了時に裁判官3人は検討と決定に時間が必要だと述べている。
併せて英メディア各紙が一斉に報じたのは、高等法院の裁定を受けて10日に公開されたANL側の証人陳述書だ。この証人は、当時ヘンリー王子夫妻の秘書官を務めていたジェイソン・クナウフ氏。米国出身の同氏は2015年、ウイリアム王子夫妻とヘンリー王子の報道官として英王室のスタッフになり、ヘンリー王子の結婚後は王子夫妻の報道官も兼任した。
2019年9月にはウイリアム王子夫妻の「王室財団」のCEOに任命されたが、今年5月に辞任を発表。辞任発表2か月前の3月には、英高級紙「タイムズ」が報じた“メーガン妃によるいじめ疑惑”で、当時ウイリアム王子の秘書だったサイモン・ケース氏にメールで実情を訴えた人物として注目を集めた。
11日に発表されたANL側代表弁護士の声明によると、クナウフ氏と妃の元で働いていたケンジントン宮殿の他スタッフは、先の裁判に際し「中立」を決定していた。このため先の裁判では一部の証言にとどまっていたが、2月の略式判決により証拠を提出する機会が奪われ、考えを変えたという。また「メール」紙は7月に情報筋の話として、クナウフ氏は証人陳述書を提出しなかったことを「後悔している」と報じていた。
当時のテキストチャット本文などとともに妃の主張を覆す証言が
高等法院での裁判でANL側は、クナウフ氏の証言を基に妃が「父への手紙」を書く際にケンジントン宮殿の手助けがあったと主張。23ページに及ぶ今回の証人陳述書には、これを裏付ける詳細などが記されている。
英大衆紙「ザ・サン」がまとめた記事によると、陳述書には妃が手紙の漏洩に備えて“大衆の琴線に触れるため”言葉の使い方などに細心の注意を払っていたことや、非公式伝記「Finding Freedom(自由を求めて)」の共同執筆者2人に情報提供していたことなどが、当時のテキストチャットやメール本文とともに証言されていた。
加えて陳述書は、米誌が2018年のロイヤルウェディングと前後して報じた“妃が父トーマスさんの健康状態を案じる「電話をかけた」とする妃の友人の証言”と、妃本人が父について声明を出していた件にも触れている。
クナウフ氏は「私の記憶によると、この電話はありませんでした。公爵夫人(メーガン妃)は、手紙の中で彼女の父親の健康について言及するという私の草案を一つ受け入れました」と事実を否定。また、トーマスさん本人も陳述書に「私が心臓発作を起こしたという事実については何の心配もありませんでした」と残している。
さらに、1月に高等裁判所で行われたヒアリングで、妃は父が「限界点」に達したため父に手紙を書くことを余儀なくされたと感じたと述べた。しかし、陳述書は別の動機があったと主張。「公爵夫人は、(トーマス・)マークル氏がメディアと関わり続けるのを阻止するため夫妻で何らかの行動を取っていると公爵(ヘンリー王子)が家族(ロイヤルファミリー)に示せるよう手紙を書いていると述べた」としている。
この他にも陳述書には、2020年8月に出版された非公式伝記に関し、王子夫妻が共同執筆者のオミッド・スコビー氏とキャロリン・ドゥランド氏に情報を提供していたことなどが記されている。同書については「公爵夫人と直接メールで何度も議論された」という。