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ヘンリー王子の新提言に英紙が辛辣ツッコミ 夫妻が発言した“真っ赤な嘘”を指摘
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先日に米雑誌が主催したリモート形式でのサミットで、メディアやインターネット上の偽情報、誹謗中傷撲滅を訴えたヘンリー王子。3月末には非営利団体の“偽情報対策委員会”メンバーに就任しており、この問題の調査に協力していた。その結果を受け、自らが立ち上げた財団「アーチウェル」の公式サイトで偽情報撲滅のための「15の提案」を掲載。官民を問わず、広く社会的リーダーに協力を求めていく方針を明かし、注目を集めている。
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「解決策」提示で問題解決に強い意志「SNSの透明性を高める」
ヘンリー王子はサミットの中で、偽情報を「世界的な人道危機」と位置付け。「私はこのひとりでに作られた狂気(偽情報)で母を失いました」とダイアナ元妃の非業の死に触れ、「現在のインターネット上の問題が解決するまで、私たちはSNSには参加しない」と宣言して話題を呼んだ。
次のアクションは、王子とメーガン妃が設立した財団「アーチウェル」の公式サイトで発表した偽情報撲滅のための「15の提案」だ。王子は今年3月末に米ワシントンD.C.に拠点を置く非営利団体「アスペン研究所」の偽情報対策委員会メンバー(王子を含む18人で構成)に就任。それ以降、この問題の調査に協力してきており、約半年かけて今回の提言を発表するに至ったという。
その内容には、SNSと広告の透明性を高めることや、SNSのプラットフォームの免責に関する新しい提案などが含まれている。さらに王子は、地方紙の相次ぐ廃刊で衰退するローカルメディアの問題にも注目。信頼性の低い情報を扱うネットメディアが市民に大きな影響を与えているとして、その現状を打破するために信憑性の高い情報を発信することができるローカルメディアへの長期的な投資を提案した。
また、ユーザー啓発の強化や、政府による包括的なアプローチを求め国家的に誤情報を対策する必要性なども訴えている。
ヘンリー王子夫妻が発信も“偽情報”を発信したと英紙
偽情報撲滅に対する王子の強い意志が感じられる提言となったが、その一方で英大衆紙「デイリー・メール」は王子夫妻の“過去の言動”に注目した。
メーガン妃は3月の暴露インタビューで、ロイヤルウェディングの3日前に(カンタベリー)大主教と3人だけで秘密の結婚式を行っていたと発言。他にも、ロイヤルファミリー内に人種差別的発言をした人物がいると主張した上で、「彼ら(王室側)は生まれてくる赤ちゃんに“プリンス”または“プリンセス”になってほしくなかったのです」と語った。
同紙は妃によるこれらの発言も“偽情報”だと主張。また、3月のインタビューでは、妃に批判的な見出しを掲げた新聞などが映し出されるシーンもあったが、すべて英メディアのものとして紹介されていた。しかし、その中に米国やオーストラリアで発行されたものが紛れ込んでいたことも同紙は改めて指摘した。
また同紙の運営企業は、妃が父トーマス・マークルさんに送った手紙の紙面掲載をめぐるプライバシー裁判で控訴。裁判所は先週、王子夫妻の元報道官ジェイソン・クナウフ氏による証人陳述書を公開し、2月に略式判決で勝訴した妃の主張が大きく覆される展開になっている。
(イギリス・森昌利/Masatoshi Mori)