海外ニュース
エリザベス女王 静養を助言した主治医はどんな人? 厚い信頼示す勲章の授与も
公開日: / 更新日:
来年に在位70周年祝賀行事「プラチナ・ジュビリー」を控えるエリザベス女王。今年10月以降は体調不良での検査入院や腰の不調などで公務を欠席することもあったが、最近は元気な姿も確認されて国民に安心を与えている。そんな女王を支えているのが、王室の医療担当者たち。中でも、女王がこの度勲章を授与した主治医のヒュー・トーマス氏の存在がクローズアップされている。女王の主治医の仕事とはいったいどんなものなのだろうか。
◇ ◇ ◇
女王の健康状態に細心の注意を払うトーマス氏
在位69年目の今年、エリザベス女王はさまざまな困難に直面した。3月に放送されたヘンリー王子夫妻の暴露インタビューに続き、4月には最愛の夫フィリップ殿下が死去。さらには米国でアンドリュー王子が民事訴追された一件や、10月下旬からは女王自身の健康不安が大きく報じられるようになった。
医師の助言により静養に入った女王は、出席を強く望んでいた11月14日の戦没者慰霊式を腰の不調のため直前にキャンセル。それでも21日にはユージェニー王女夫妻とアン王女の長女ザラ・ティンダルさん夫妻の子どもたち2人の合同洗礼式に出席し、車での移動で見せた毅然とした表情が英国民を安堵させた。
そこで、女王の健康を管理する人々が密かな注目を集めている。英メディア「マイ・ロンドン」が掲載した記事によると、担当は王室の「Medical Household」(医療部門)。そのトップとして女王の主治医を務めるのが、インペリアル・カレッジ・ロンドン外科&がん学科教授のヒュー・トーマス氏だ。英高級紙「ザ・タイムズ」は「女王の健康状態が心配され、いくつかの重要行事を欠席することになった背景には、7年前から主治医を務めるトーマス氏の存在があったと考えられる」と報じている。
「マイ・ロンドン」によると、そんなトーマス氏の役割は非常に重要だ。女王の公務日程と体調を考慮した上で、いつ休みを取るべきかを判断。女王の健康状態は国民の一大関心事のため、常に正確な判断を求められるという。また、機密性の高い医療情報を扱うため、厳格な選択プロセスによって(候補者の中から)信頼できる担当医を人選する仕事も担っているそうだ。
女王にとってトーマス氏の存在は心強い限りだろう。今年初めにロイヤル・ヴィクトリア勲章「ナイトコマンダー」の受章が決まっていた同氏に対し、女王は現地時間23日にプライベートな叙勲伝達式を行った。他の受章者の伝達式は別で一斉に行われていただけに、あらためて信頼の厚さをうかがわせるものとなったようだ。
(Hint-Pot編集部)