道端に捨てられている子ねこの姿を見かけて、どうにかできないかと苦心した経験を持っている方も多いでしょう。生後1か月で保護された2匹の子ねこが、ドライのペットフード（カリカリ）を一心に食べている動画がツイッター上で反響を呼んでいます。ごはんは1匹に1皿用意されていますが、片方のねこは隣のお皿にも顔を突っ込む勢いです。一方で、攻め込まれたねこは食べられないようにと必死。この投稿や2匹との出会いなどについて、飼い主のにゃんこはうす（@nyankohouse4）さんに話を伺いました。

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台風目前だったことからお迎えを決意

「ニャンておいしいの！」という声が聞こえてきそうなほどカリカリに夢中になっているのは、茶トラの男の子「そら」くんと「まる」くん。元々は捨てねこで、獣医の見立てによるとどちらも現在、生後3か月です。

　車通勤している飼い主さんは帰宅途中、段ボールに入れられ国道沿いの脇道に捨てられていた2匹を発見しました。

「国道沿いの脇道に段ボールがあるのに気付きました。朝は反対を通るので分かりませんが、前日はなかったと思います。『ねこっぽいな』と何となく気になってしまい、見に行ったらねこでした」

　段ボールの中を覗き込むと、2匹の子ねこが心細げにじっとしています。すでに2匹の先住ねこと暮らしていた飼い主さんは、その時4匹での暮らしを想像してみたそう。しかし、金銭面や十分なお世話ができるかなどを考えると「厳しいかも」と躊躇しました。

　仕方なく飼い主さんは、人目に付きやすい近くの公園に段ボールごと子ねこたちを移動することに。2匹が段ボールから出てしまうと命の危険があると考えた上での苦肉の策でした。

　こうして2匹を置いて、一度は帰宅した飼い主さんでしたが、天気予報で台風が迫っていることを知ります。

「自宅は九州なのですが、お盆中の台風がものすごかったので、あんな台風がまた来たら『あの子たち死んじゃうな』と思いました。それでそのままにしておけないなと、公園に戻ることに。箱の中を確認すると、2匹はくっついて固まっていましたが、無事でいてくれたことにホッとして家族にしようと決めました!!」

　そして、足に白い足袋を履いているように見えるそらくんは、青い瞳が印象的だったことから「そら」と命名。真ん丸のシッポが目を引いた一匹は、「まる」と名付けました。

初めてのドライフードに大興奮

　話題になった動画を撮影したのは、保護から4日ほど経った日のことでした。

「それまでとても幼かったためウェットタイプのごはんをあげていましたが、動物病院の先生から『もうカリカリをあげていいよ。栄養もあるし』と言われたので、ちょうどドライフードに変えたタイミングでした。ウェットの時はこんなに激しく取り合いはしていなかったので、カリカリの方が食べやすかったのかもしれません」と旺盛な食欲に目を細めています。

　飼い主さんは、そらくんとまるくんが食べやすいようにと、2枚の小皿にカリカリを用意。そらくんの食べっぷりを見たまるくんは「そっちの方がおいしそう」と自分のお皿を飛び越えて、そらくんのカリカリを横取りし始めました。

「2皿あるのに、どうして奪い合いなの？」と予想外の出来事で笑いをこらえるのに必死だったそう。「『もう1皿あるよ』と2匹を離してみましたが、結局同じお皿に2匹で顔を突っ込んでいました」

　面白い出来事をぜひ共有したいと、撮影した動画に「食は戦争です!!」という一文を添えて投稿。リプライ（返信）には「お、落ち着け……落ち着け！」「他の人（ねこ）が食べてるごはんは、おいしそうに見えるんだね」などの感想が寄せられました。

　食後の2匹はいつもお腹をパンパンにして、食い倒れのような感じでお皿の上で寝てしまうこともあるそう。食べて寝て遊んで、元気いっぱいの日々を送っています。

　ちなみに先住ねこである4歳の「たまさん」と3歳の「みー」ちゃんとの関係は、今のところ構築中。2匹とも初日は新入りたちに警戒して「シャー」と怒っていましたが、最年長のたまさんは毛づくろいをするなど、お姉さんとしてそらくんとまるくんの面倒を見ているそう。一方、みーちゃんはまだ警戒中。「そらとまるは近づいて行くんですけど、みーちゃんが逃げます。最初よりはマシなのでそのうち仲良くなると思います」と話してくれました。

　そらくんとまるくんの様子は、YouTubeチャンネル「たまみーそらまる日記」でも見ることができますよ。

（Hint-Pot編集部）