海外ニュース
お肉をがっつり食べるスペインのクリスマス 地方色豊かなメニューを現地から紹介
公開日: / 更新日:
世間はクリスマス一色。ライトアップされた街並みを歩いたり、家族でおいしい食事に舌鼓を打ったりと、楽しみ方はさまざまでしょう。クリスマスの過ごし方は世界でも千差万別で、そのスタイルを知ると驚かされることも数多くあります。今回、「Hint-Pot」編集部は“情熱の国”と呼ばれるスペインに注目。バルセロナでジャーナリストとして活躍する山本美智子さんに、スペインのクリスマス食事情を教えていただきました。
◇ ◇ ◇
家族で食卓を囲むのがスペインの定番 レストランはほぼ閉店状態
町中がクリスマスのイルミネーションで輝き、石畳が敷かれた通りの街角では讃美歌を歌う人たちがクリスマスモードを盛り上げるスペイン。お祭りでありながら、厳かな雰囲気も漂うクリスマスは、どんな小さな町にも必ずある教会のライトアップも美しく、個人的にもおすすめしたい時期です。
しかし、そんな中でも注意点が1つだけあります。家族行事となっているスペインのクリスマスは、家で食卓を囲むのが基本。その結果、クリスマスイブの夜は開けないという飲食店が続出するのです。クリスマス当日にクリスマスメニューを用意する店もありますが、イブの日に開いている店はまずありません。唯一やっていた中華レストランにいったら観光客であふれていた……という冗談みたいな本当の話もあるほどです。
では、そんなスペイン人が家族で囲むクリスマスの食卓、クリスマスイブのディナーとはどんなものなのでしょうか。これはスペイン国内でも大きく異なり、地方色豊かでバラエティに富んでいます。
とはいえ、前菜が始まる前のタパス的なもの、食前酒を飲みながらわいわいとつまめるものに関しては共通の傾向があります。基本は冷菜で、生ハムやチーズの盛り合わせ、エビのカクテル、カナッペなど。美食で知られる北部のバスク地方には、ウナギの稚魚を少しでもいいから食べたいという家庭もありますが、お値段は1キロ650ユーロ(約8万3000円)から1000ユーロ(約12万8000円)と庶民には高嶺の花です。
こういったカナッペなどを前菜代わりにつまみながら主菜にいくのが一つのパターン。一方で、野菜のポタージュや魚介スープなど、温かいスープを前菜としていただいてから食前酒の酔いも覚ましつつ、メイン料理に移行する場合もあります。