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引き抜くと「魂のシャウト」!? “うるさかわいい”マンドラゴラの防犯ブザー 誕生までの経緯とは
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非常事態を周囲に大きな音で知らせることができる防犯ブザー。犯罪に巻き込まれないよう、子どもに持たせたり、自身も携帯したりしているという人が多いのではないでしょうか。この防犯ブザーに、引き抜かれると悲鳴を上げて人を死に至らしめるという伝説を持つ植物を“融合”させてしまったグッズが、ツイッターで大きな話題になっています。
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伝説の植物「マンドラゴラ」の特徴を存分に生かした防犯グッズ
伝説の植物「マンドラゴラ」は、別名「マンドレイク」とも呼ばれ、古くから薬草として使われてきました。根には神経毒が含まれているとされており、欧州ではマンドラゴラを引き抜いた際に上がる悲鳴を聞くと発狂して死んでしまうという、恐ろしい伝説が伝わる植物です。
日本でも、人気ゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズや映画『ハリー・ポッター』シリーズなどに登場するため、ファンタジー作品を通して名前は知っているという人も少なくないでしょう。
そんなマンドラゴラの特徴を存分に生かしているのが、企画デザイン会社の株式会社2時が発表した防犯ブザーです。植木鉢から引き抜くと、かわいい顔のマンドラゴラから「魂のシャウト」が響き渡り、周囲に非常事態を知らせるという作りになっています。引き抜く際に「ピョン!」と出てくる手もポイント。植木鉢に戻すとシャウトが止まる仕組みです。
公式ツイッターアカウント「企画デザイン2時」(@niji_2oclock)で、このマンドラゴラ防犯ブザーを発表すると21万件を超える“いいね”を集めるなど、大きな話題に。「うるさかわいい」という新ジャンルで、注目を集めました。
「何が皆さんをそこまで駆り立てるのか」 大反響に“うれしい戸惑い”も…
株式会社2時の楢崎友里代表は、この防犯ブザーについて「特にきっかけはなく、突然思いつきました!」と明かします。
「私の中ではマンドラゴラと防犯ブザーの組み合わせはとても自然なものなんです。マンドラゴラは、土から引っこ抜くと叫び声を上げるという伝説があるので、引っこ抜く動作と防犯ブザーの構造がぴったり合うなと思い、この組み合わせになりました」
メーカーに協力してもらい約1か月でサンプル品が完成。こだわったのはマンドラゴラの顔で、「一応絶叫している設定なのですが、ちょっと迷惑そうなぐらいの絶妙な顔になるように心がけた」そう。こだわりはたっぷり詰まっていますが、ツイッターでの注目の大きさは予想外なことだったといいます。
「ここまでの反響はまったく予想していなかったので、本当に驚いています。『とりあえず思いついたものは形にしていこう』という方針で、軽い気持ちでツイッターに投稿してしまいました」
1万7000人だった「企画デザイン2時」のフォロワーが、マンドラゴラの投稿をしてから7000人も急増して2万4000人に。さまざまなコメントも寄せられています。
その中で楢崎さんが特に気になったのが、「中高生や大人などは、いわゆる防犯ブザーそのままの形だと付けにくい」というもの。かわいいマスコットにすることで、カバンなどにもつけやすくなるという意見に「なるほど~」と感じたそう。
また、「10個買います!」「家族全員分買います!」と反応する複数購入希望者も登場していることから「何が皆さんをそこまで駆り立てるのか、とても気になりました」と、うれしい悲鳴ならぬ“うれしい戸惑い”も……。
大きな反響を受け、現在は商品化を検討中。実は、サンプル品には肝心の「シャウト」がまだ実装されていませんが、「マンドラゴラも突然引き抜かれるとかなり焦ると思うので、『ぎゃーー!』とか『あ゛ぁーーー!』みたいな、濁点がついている感じの声を想像している」とのこと。
また、2サイズでの展開を考えており、「製品版では、もっとバッグにつけやすい小さめサイズにしたいなと思います。ですがこの大きさもかわいいので、防犯ブザーとぬいぐるみで、大小2種類作れたら一番いいのですが……検討中です!」と明かしてくれました。
商品化の進捗については、「企画デザイン2時」のツイッターで逐一報告していく予定。どんな展開になっていくのか、楽しみですね。
(Hint-Pot編集部)