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加トちゃんに「死ぬのは出発」と言われ…妻の加藤綾菜さん 結婚10周年で考えた生と死

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

昨年6月に加藤茶さんと結婚10周年を迎えた綾菜さん【写真提供:加藤綾菜】
昨年6月に加藤茶さんと結婚10周年を迎えた綾菜さん【写真提供:加藤綾菜】

 2011年にドリフターズの加藤茶さんと結婚し、2021年6月に結婚10周年を迎えた加藤綾菜さん。素敵なゲストとともにお祝い旅行にも出かけたそうです。新年インタビュー第2弾の今回は、45歳という歳の差を越えて愛を育んだ10年間や、これから目指す夫婦の形などについて話をお伺いしました。

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結婚して3年は一日一日が長くつらい毎日だった

 まずは皆様に御礼を。加トちゃんと結婚して、2021年で10年を迎えることができました。応援してくださった皆様のおかげで、そして私を優しく見守ってくれた夫のおかげで、結婚10周年です。本当にありがとうございます。

 結婚して最初の3年くらいは、世間からの激しいバッシングで本当につらい日々を過ごしました。一日一日をとても長く感じていたと思います。家の中では明るくいたかったので、買い物帰りなどにそっと1人で公園に行って、スマホで批判的なコメントを読んで涙をこぼしたこともありました。

 でも、落ち込んで帰った時はなぜか加トちゃんがいつにも増して明るいんです。その時は「私がこんなに悩んでいるのに……」と、イラッとしてしまったことも。けれども、バッシングが落ち着いた頃、夫婦でインタビューを受ける機会があり、そこで加トちゃんが「あの時はつらかった。こんなに苦しいことはなかった」と言いながら涙ぐんだことがありました。

 そんな加トちゃんを見て、彼は全部分かってくれていたことを知りました。「ああ、そうか。彼なりに私に気を遣ってくれていたんだ。私を守ろうとしてくれていたんだ」……そう思うと、心の中が温かくなりました。

 あの経験は、大学を出てから社会経験をほぼ積むことなく結婚したため、世間知らずだった私が成長する糧にもなったし、夫婦の絆が深まるきっかけにもなりました。あれを乗り越えたことで、本当の夫婦になれた気がします。

バッシングよりもつらかった加藤茶さんの闘病

 この10年で最もつらかったのは、加トちゃんがパーキンソン症候群で闘病した時でした。自分がバッシングを受けていた時のつらさなんて忘れてしまうくらい。

 でも、「つらい!」と逃げるのではなくどうやったら彼を支えられるんだろう、どうしたら彼とこの先も2人で歩んでいけるんだろうと、加トちゃんのことだけを考えていました。入院生活は1か月ほど。その後リハビリに約1年。加トちゃんのために生活習慣病予防アドバイザーの資格を取得し、いざという時のために介護の勉強も始めました。

 加トちゃんって、無敵なんです。性格に波がなくて、頼りがいがあって。そんな加トちゃんが弱った姿を初めて見て、「ああ、私が強くならなければ」って思いました。

 バッシングから大人の対応を学び、それ以外のことはすべて加トちゃんから学びました。いつも優しく見守ってくれる加トちゃんに、いつか恩返しできる日が来るといいんですけどね。