仕事・人生
加トちゃんを支える妻・加藤綾菜さん 今、介護を学ぶ思い 「実際におむつをはいてみた」
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タレントの加藤綾菜さんは、「ザ・ドリフターズ」の加藤茶さん(77)の妻で、このほど夫婦の将来を見据えて介護の勉強を始めたことでも話題になっています。そんな綾菜さんとトークイベント「いつか来る日のために~みんなで話そう明るい介護~」(9月8日、オンライン)で対談したライターの和栗恵さん。実父が認知症になったことがきっかけで介護に向き合うことになり、多くの人に家族としての経験を届けたいとHint-Potで人気連載「アラフィフ娘の明るい介護」を執筆中です。ある日、突然始まる家族の介護――。いつか来るその日をどう受け止めたら良いのでしょうか。綾菜さんとの話を通して感じたことを、和栗さんが綴ります。
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実父の認知症をきっかけに介護に向き合ったアラフィフ娘がオンライン対談
私自身は、父が認知症となり、確実に家族のサポートが必要な状態になって初めて「介護」の世界に向き合いました。まさに「青天の霹靂」ともいうべき状態で……。母も、私も、初めは戸惑い、悩み、父に対してもずいぶんとひどい言葉を投げかけてしまったように思います。
介護を経験した多くの方がそうであったように、いきなり目の前に「介護」と書かれたプラカードを突き付けられたような気がして、脳内では理解しているつもりでも心が追い付かなかったのです。
加藤綾菜さんが「介護」について向き合って考えるきっかけとなったのは、45歳という年齢差婚で世間を驚かせた結婚から5年目のことだったようです。
「加トちゃんがパーキンソン症候群を患いました。その時、私はいつも元気な主人が寝たきりになるとは思ってなくてパニックに……。そしてその時、私は何もできなかったんです。隣でシクシク泣いて『何で? どうして?』って」
新型コロナ、志村けんさんの死 綾菜さんは介護を深く学ぶ覚悟をした
「でも、加トちゃんをまた舞台に立たせたい、そう思うようになりました」と綾菜さんは振り返ります。この時、介護とまではいかないにしても、ご主人の弱り切った姿を見て「私が頑張らなきゃ!」と自分自身を奮い立たせていたことが分かりました。
まずは食生活の改善に目を向けたという綾菜さん。食育インストラクターの資格を取得し、豚骨ラーメン、トンカツ、ステーキばかりを食べていた茶さんの食生活を、栄養バランスを考えたものにして健康維持をサポートしてきました。
今年3月に茶さんが77歳を迎えるにあたり「介護の勉強をしてみたいな……」と考えたといいます。
しかしそこに来て、突然のコロナ禍。そして、志村けんさんの死。
いつ何が起きるか分からない現実を見て、介護についてより深く学ぶ覚悟をしたのだと、語ってくれました。