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からだ・美容

冬の方が“汗臭くなりやすい”のは理由があった! 寒い時期のにおい対策とは

公開日:  /  更新日:

著者:鈴木 理惠

なぜかにおいが気になる冬(写真はイメージ)【写真:写真AC】
なぜかにおいが気になる冬(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 お正月休みも明けて通常モードに切り替わりました。まだまだ寒さは続きますが、公共交通機関の中や室内で汗のような不快なにおいが気になったことはありませんか? 汗をかいて当たり前の夏よりも、実は冬の方が「臭くなりやすい」要因があるそうです。臭気判定士の鈴木理惠さんが解説します。

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なぜ汗は臭い? 不快に感じる「におい」とは

 寒い時期なのに蒸れたような嫌なにおいがする、コートやブーツを脱いだ時にモワッと不快なにおいが気になる……という経験があるかもしれません。現代の冬は汗をかきやすい環境にあるので、においが発生しやすいと言えるでしょう。

 分泌されたばかりの汗には、においがありません。汗が皮膚の表面で皮脂などと混じり、それを細菌が分解することでにおい物質が発生すると言われています。酸っぱいような、腐ったようなにおいは、汗自体ではなく細菌が作用して作り出したものです。

 人が不快に感じる汗のにおい成分には、一般的に乳酸や酢酸、イソ酪酸、イソ吉草酸、アンモニア、脂質などがあり、これらが皮膚の常在菌によって強い酸臭や動物臭のような複合的な悪臭に変わります。人の体では、汗腺のアポクリン腺や皮膚の常在菌が多い脇の下、汗腺のエクリン腺が多い足の裏、皮脂腺が発達している頭皮などにそのような成分が含まれ、気になるにおいが発生しやすいことが分かっています。

 五感の中で脳に唯一ダイレクトに伝わるのが嗅覚です。人がにおいをキャッチすると、その“におい情報”は感情や本能を司る大脳辺縁系に伝わり、さらには自律神経やホルモンのバランスに関係する視床下部や感情を司る扁桃体にも伝わります。そのため、嫌なにおいを察知すると不快になったり、ストレスを感じたりするなど気になってしまうのです。

 においの感じ方には慣れや個人差もありますが、私たちが意識しているよりも心や体に作用していると言えるでしょう。