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からだ・美容

冬の方が“汗臭くなりやすい”のは理由があった! 寒い時期のにおい対策とは

公開日:  /  更新日:

著者:鈴木 理惠

冬こそにおいやすい3つの理由と対策のコツ

コートなどににおいが蓄積されることも(写真はイメージ)【写真:写真AC】
コートなどににおいが蓄積されることも(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 臭くなりやすい理由は次の3つあります。それぞれのプチ対策と一緒に見てみましょう。

<1. 室内が暖かいため厚着でいると蒸れやすい>
 冬の外出時は厚着をしますが、電車や部屋の中は暖房が効いています。外にいたままの厚着でいると、汗をかくことに。特にタイツやブーツなどは履いたままでいる時間が長いので、暖かい室内に長時間いると蒸れやすくなるでしょう。

 冬なのに何か臭いような気がする時は、汗で発生したにおいが厚手の衣類にこもることで“におい濃度”が上昇している可能性もあります。出先で屋内外を移動する時は、脱いだり羽織ったりできる重ね着で温度調整をすると良いでしょう。冬だからと油断せずに、デオドラントパウダーや汗拭きシートなどを活用してみるのもおすすめです。

<2. 厚手のコートやセーターなど頻繁に洗わない衣類が多い>
 コートやセーター、手袋、ストールといった冬用衣類や小物は、夏用と比べて頻繁に洗わないものが多いかもしれません。衣類には自分の汗に加え、外から付着したにおいもしみ込む“ダブル臭”が蓄積されます。においが付着したままの衣類や小物を家のクローゼットなどで保管すると、クローゼット全体がにおったり、部屋まで臭くなったりすることも。

 すぐに洗えない冬用衣類や小物は、入浴後の浴室で吊るした後に風通しの良いところで干すと付着したにおいが取れやすくなります。衣類用のアロマ消臭スプレーなどを上手に活用するのも良いでしょう。また、体の汗対策には、吸湿性や速乾性がありすぐに洗える素材のインナーを着用して、アウターに汗が移らないようにカバーするのもおすすめです。

<3. 寒いと汗腺機能が低下して汗が濃くなる>
 体全体の熱を下げる必要がない寒い時期は、一般的に汗を排出する汗腺機能が低下すると言われています。その状態で汗をかくと、本来のしっかりとろ過された汗ではなく、うまくろ過されていない“濃い汗”が出てくるのです。その汗を細菌がエサとして分解するので、不快さが増したにおいが発生しやすくなります。これが夏よりも汗臭くなる理由と言えるでしょう。

 極力回避するには、適度な運動やじっくりと湯船に浸かった入浴など、冬でも汗をかくための習慣を心がけましょう。湯船に浸かるのが難しい場合は、手をお湯につける「手浴(しゅよく)」がおすすめです。バケツなどに40度程度のお湯を入れ、服を着たまま10分ほど手を浸すだけ。手を温めると体の血行が良くなり、全身浴した満足感が得られるため、介護ケアでも注目されています。

 また、セルフマッサージやお気に入りのアロマを活用すると、よりリラックスできるでしょう。汗をコントロールしている自律神経のバランスを整えることも大切です。

 寒いのに汗のにおいが気になったら、衣類や汗の対策を実践してみてはいかがでしょうか。においの感じ方は人それぞれ。汗は誰でもかくものですが、心配なことがあれば信頼できる医療機関に相談しても良いでしょう。ちょっとしたケアで心地良く一年をスタートさせたいですね。

【参考】
「嗅覚とにおい物質」におい・かおり環境協会、p.76,2003
環境省大気生活環境室「におい・かおり環境学会誌」35(2)p.30,2004

(鈴木 理惠)

鈴木 理惠(すずき・りえ)

臭気判定士、香りコンシェルジュ、自然療法家。公益社団法人日本アロマ環境協会総合認定校 日本アロマテラピースクール顧問。一般社団法人「香りの健康ライブラリー」理事。英国IFA、IFPA認定アロマセラピスト、認定講師。2000年シドニー五輪ではアロマセラピスト日本代表として、選手村で世界のアスリートをアロマでケアした経験も。アロマや美容、健康法など約30年で延べ1万人以上を指導。「アロマテラピーで心と身体にもうれしい私だけの香りをつくる」(雄鶏社刊)など著書多数。香りや食を通して健やかで美しい人を増やすことを願い活動中。