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マネキン人形はどこまで進化? 地方アナのツイートで注目 メーカーが語る開発の裏側

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・瀬谷 宏

88年の歴史を誇る老舗メーカーの挑戦 「今までに人が見たことのない表現をしたい」

マネキンもリアルさを追求する時代に【写真提供:トーマネ】
マネキンもリアルさを追求する時代に【写真提供:トーマネ】

昭和9年(1934年)に創業したトーマネは88年以上の歴史を誇るマネキンメーカーの老舗です。時代やトレンドが変わっても、常にショップの最前線に立って流行を彩ってきました。そして、その中でさまざまな改良や進化を続けてきたそうです。

今回話題になった躍動感あふれるマネキンは、同社が2015年から構想に入って商品化した「パルクールシリーズ」。パルクールは道具を使わず、走る・跳ぶ・登るといった基本動作だけで障害物を越えて目的地に達するというフランス発祥のスポーツで、この動きをマネキンに取り入れました。

同社では今回の飛びはねるようなマネキンだけでなく、これまでの常識を覆すような片腕だけで立たせるタイプなども作っています。

「マネキンの基本はシンメトリー(左右対称)で、そこで着ている服が見栄えをし、購買意欲をかき立てるという目的がある以上、シワが寄るようなマネキンはご法度でした。しかし、弊社には『今までに人が見たことのない表現をしたい』という企業スピリッツがあり、そこからリアルさを追求する『パルクールシリーズ』の開発がスタートしました」

和紙素材での制作も…軽量化とリサイクルの流れに拍車がかかるマネキン

トーマネの本社には、粘土からマネキンを制作する原型師がいます。すべて手作業での制作ですが、今回は筋肉を中心に細部にこだわる必要もあったため、1体の制作にはかなりの時間を要することとなりました。

また、「通常はトーマネの営業がセットアップしますが、特徴的なマネキンでは店舗様側でも対応可能なように」と、今はYouTubeで着付けの動画なども公開しています。

「昔は西洋ではろう、日本ではパルプと胡粉(白色塗料の一つ)で作られ、重さは80キロにも及ぶものもあった上、その多くは買い取りでした。しかし、近代では環境問題に配慮し、マネキンもレンタルが主流に。素材も昭和33年頃から繊維強化プラスチック(FRP)に移行し、軽量化と100%のリサイクルができるようになりました」

最近、トーマネでは和紙を使用した素材でのマネキン制作も始まり、ますます軽量化とリサイクルの流れに拍車がかかっています。トーマネではさまざまなオーダーに対応しており、力士が土俵入りしているようなものまで特注で制作して話題を集めました。これからの進化にも期待したいですね。

(Hint-Pot編集部・瀬谷 宏)