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無駄な支出を今すぐ減らすには? 税理士・板倉京が教える“貯蓄を増やす”コツ

公開日:  /  更新日:

著者:板倉 京

老後資金を貯めるにはどうすればいい?(写真はイメージ)【写真:写真AC】
老後資金を貯めるにはどうすればいい?(写真はイメージ)【写真:写真AC】

「老後なんてまだまだ先」と思っていても、「漠然とした不安がある」「お金が気がかり」という人は多いのではないでしょうか。そこで、税理士の板倉京(いたくら・みやこ)さんが豊富な実務経験を基に、老後資金の不安に備えるためのさまざまな解決術をレクチャーします。多数のメディア出演経験や著書を持ち、2社の代表も務める板倉さんの連載第2回。今回のテーマは「無駄な支出をなくす方法」です。

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あればあるだけ使ってきた人は少しの見直しで支出減に

 連載第1回では、明るい老後のために今からどのくらい貯めていけばいいのか、「老後に必要なお金の計算方法」を具体的に見ていきました。

 友人のAさん(42歳)の場合は、65歳までの23年間で900万円、1年あたり約40万円の貯金が必要だと前回分かりました。これは月々で換算すると、3~4万円程度。今までほとんど貯金してこなかったAさんは、この金額に「う~ん。月3万円か……できるような、できないような。本当にこれだけ貯め続けられるのかな」と不安顔です。

 でも、今までまったくお金のことを考えずにあればあるだけ使ってきたのなら、ちょっと生活を見直すことで無駄な支出を減らすことができるもの。ということで、今回は今すぐ始められる「無駄な支出をなくすためにできること」をご紹介します。

お金に興味を持とう!

 お金に興味を持つと、不思議と支出を減らすことができます。では、どうやってお金に興味を持てばいいのか、そのための方法をいくつか紹介します。

○財布の中身に興味を持つ
 帰宅したら、お財布にいくら入っているのかをチェックすることから始めます。毎日行うのがおすすめですが、大変という人は曜日を決めて確認してみてください。定期的に行うことで「今週はお金を使いすぎたな」と、お金に対する意識が高まります。

○お金を引き出す頻度と金額を決める
 1週間に1回1万円、1か月に1回5万円など、ATMでお金を引き出す頻度と金額を決めてみましょう。そうすることで、次に引き出す日が来るまでお財布の中にある金額で暮らせるよう工夫する気持ちが生まれます。

 私は頻度を決めてはいませんが、1回に引き出す金額を5万円と決めて、お財布の中身が1万円を切ったら次を引き出すようにしています。そうすると、通帳を見た時に「前回は3週間だったのが今回は2週間で使い切ってしまった。少し使いすぎたな」といった意識が生まれ、「次はもっと長くもたせるように頑張ろう!」とゲーム感覚で節約したくなります。

○電子マネーやクレジットカードの利用明細は週1でチェック!
 電子マネーやクレジットカードは、目の前からお金が出ていかないので使っている感覚が薄くて危険! 「毎週土曜はクレカのチェック日!」など、週に1度は利用明細をウェブサイトでチェックしてみましょう。そのためにも、クレカは多くても2~3枚にしたいところ。毎週チェックすることで「今週はいっぱい使ったけれど、何に使ったんだろう」と気にする意識が生まれ、クレカの使いすぎも減ってくるはずです。

○家計簿アプリを使う手も
 家計簿アプリは通帳やクレカ、電子マネーと連携してくれるので便利です。現金で買った場合も、撮影したレシートを読み取ってデータ化してくれるものがあります。金融系のウェブサービスを提供する「マネーフォワード」が行ったユーザー対象の調査「お金の意識調査2021」では、アプリを利用した約6割が「無駄遣いが減った」と回答。平均で月2万8615円(年間約34万円)の収支改善を実感しているとの結果が出たそうです。

 このように、お金を“見える化”して興味を持つだけで、お金の減るスピードを自然と落とすこと(=支出を減らすこと)ができるというわけです。人によるかもしれませんが、「節約しなくちゃ……」と悲壮感が漂う毎日ではなく、「やった! 今月は出費減らせたぞ!」とゲーム感覚で楽しめたりするのも、この改善法のメリットといえるでしょう。