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大根を“生食すべき”理由とは その根拠は栄養素にあり 葉の部分も栄養豊富
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教えてくれた人:和漢 歩実
大根は収穫せずに春を迎えると、葉の部分から淡い紫色や白色の可憐な花が咲くそうです。野菜としては、エネルギー量が低く酵素も含まれることから、体重が気になる時にもうれしい食材の一つ。私たちが普段食べている白い部分は根にあたりますが、栄養素は葉にもたっぷり含まれています。そんな大根の栄養について、栄養士の和漢歩実さんに話を伺いました。
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大根の分解酵素とは 生で食べた方がメリットあり
大根にはでんぷん分解酵素の「アミラーゼ」やタンパク質分解酵素の「プロテアーゼ」、脂肪分解酵素の「リパーゼ」が多く含まれています。そのため、消化を助ける働きが期待でき、胃もたれや胸やけしている時はもちろん、ダイエット中の食材にも最適です。
日本食品標準成分表2020年(八訂)によると、白い部分(根)100グラムあたりのエネルギー量は18キロカロリーと低め。ヘルシーな食材として人気の理由です。
タンパク質や脂質を多く含むハンバーグやから揚げ、焼き肉、焼き魚などは、大根おろしを添えて一緒に食べると良いでしょう。また、刺し身のツマとして使われるのは、大根の辛み成分「イソチオシアネート」に殺菌効果が期待されているからです。
そうした酵素や辛み成分のメリットを効率良く最大にいただきたい時は、生で食べる方が良いでしょう。大根おろしの他、サラダや野菜スティックなどがおすすめです。部位ごとに辛みが違うので、生食する際は好みによって使い分けてみてください。
また古くから伝わる薬膳としては「大根飴」があります。作り方は1センチ程度の角切りにした大根をハチミツに一晩漬けるだけ。大根のエキスが溶け込んだハチミツには消炎作用や殺菌作用があると言われ、のどや咳、痰が気になる時に舐めます。砂糖代わりに紅茶やコーヒーに入れて飲むのもおすすめです。漬けた大根は料理に使うと良いでしょう。