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大根を“生食すべき”理由とは その根拠は栄養素にあり 葉の部分も栄養豊富

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

葉にも栄養がたっぷり みそ汁やチャーハンに

葉にも栄養が含まれている(写真はイメージ)【写真:写真AC】
葉にも栄養が含まれている(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 調理の際は皮付きと皮なしで迷うこともありますが、栄養素で見ると特に大きくは変わりません。残留農薬や食感の良さという観点では、むいた方が良いでしょう。エコの観点では、皮をきんぴらにしたり、天日干ししてから切り干し大根にしたりすると無駄なくいただけます。

 もし、葉付きのものが手に入るのならば、ぜひ選んでほしいところです。それは、根よりも栄養価が高いから。普段食べている大根の白い部分(根)に含まれていないβカロテンが、葉の部分には多く含まれています。

 βカロテンは体内で必要な時にビタミンAに変わり、抗酸化作用や皮膚や粘膜の強化による免疫力の増大が期待できます。寒いこの時期にぜひ摂取したい栄養ですね。その他、ビタミンCと食物繊維、カルシウム、鉄も、葉の方がたっぷり含まれています。

 購入後は葉から水分が蒸発するので、根と切り分けて保存しましょう。葉の部分は細かく刻んで、チャーハンや野菜炒め、みそ汁の具などにして食べるのがおすすめです。

 お正月のごちそうで疲れた胃腸を労わる「七草粥」の七草の一つでもある大根。日本に伝わった時期は諸説ありますが、720年に完成したと伝わる歴史書「日本書紀」に大根と思われる「於朋花(おほね)」の記述があり、すでに食べられていたとみられています。もちろん現代でも、栄養のメリットが高い減量の味方。まだまだ寒いこの時期、積極的に食べたい野菜ですね。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾