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信号機を掴む巨大な手…リアルすぎるミニチュア模型に大反響 「脳がバグった」
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普段の風景や身の回りの物がそのままミニチュア模型になっているのを目にした時、何だか少しワクワクしますよね。それがリアルであればあるほど感動したり、興奮したり……。本物を忠実に再現した電柱と信号機のミニチュア模型が大きな話題を集めています。力作を公開したCityscape Studio(シティスケープスタジオ)のMAJIRI(@Cityscape_Std)さんに制作過程や苦労話などを伺いました。
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遠近法を利用した写真と見間違う人が続出
電線やさまざまな機器が設置された電柱と、それに付けられた信号機。一見、どこの町にもあるもののようですが、広がる青空からニョキッと大きな左手が伸び、それを掴んでいます。ツイッター上に投稿された1枚の写真はさまざまな憶測を呼びました。
「これ、遠近法を利用した写真なんじゃないの?」
しかし、これはよくあるトリック写真ではなく、電柱と信号機のリアルなミニチュア模型。都市風景のジオラマなどを手がけ、都市モデラ―として活動するMAJIRIさんが1/24のスケールで制作したものです。これが模型だと分かるとSNS上は大騒ぎ。ツイートは19.5万以上の“いいね”を集めた他、2.1万回もリツイートされました。
リプライ(返信)には「手がなければ本物と見分けがつかない」「フォトショ職人の仕業かと思った」「理解するまで時間がかかる」「脳がバグった」と視覚的に惑わされたという声が続出。あまりのリアルさに「巨人が作ったのか」「こんなプラモデルあるの?」「(歩行者用の)ボタンを押したい」と作り方を知りたがるコメントであふれました。
企画から完成まで半月 パーツは3Dプリンターやレーザー加工機などで加工して制作
「Hint-Pot」編集部は早速MAJIRIさんを直撃。このリアルなミニチュア模型の製作過程などを伺いました。
Q. 今回、どうしてのこのような模型を作ろうと思ったのですか。
「1/24の同一スケールでミニチュア電柱を作られていたモデラーのMozuさん(@rokubunnnoichi)とHGSさん(@ModelHgs)が投稿されていた電柱に感化されて制作を決めました。そのおふたりは今回の写真と同じように手でつまんで写真を撮られていたので、同じように自分は信号機を作ろうと思いました」
Q. 今回の作品はどのような手順で作ったのでしょうか。
「まず、モデルとなる場所で実物を撮影し、その資料を基に3DCAD(3次元の設計支援ツール)上で一から3Dデータを作成しました。その3Dデータを基に自前の3Dプリンター、レーザー加工機で材料を加工してパーツを制作。エアブラシや筆で一つひとつパーツを塗装して組み立てを行いました。設計と制作の期間は半月ほどです」
Q. このミニチュアはどんな素材を使っていますか。
「主にプラスチックの板や棒、紙、3Dプリント用のUVレジンでできています。既製品は使っていません」
Q. 一番苦労した点はどんなところですか。
「設計にかなり時間をかけました。一つひとつのパーツの3Dデータを一から設計して3Dプリントしています。どこまで細かく作り込むかの判断が難しいところで、多少の省略はしつつもリアルに見えることを目指して設計しました。時間がかかったとはいえ、楽しいので苦労とは言えないですね(笑)」
過去には東京や大阪などの大都市をモデルにし、鉄道や道路の風景をメインに制作してきたというMAJIRIさん。1/150スケールで渋谷スクランブル交差点や首都高速道路の箱崎ジャンクションなどを制作したこともあります。今後は再び「広い範囲の都市景観を手がける」そうで、次回作は東京の地下鉄駅を予定しているそうです。
MAJIRIさんのYouTubeチャンネル「Cityscape Studio シティスケープスタジオ」では、今回の信号機を含むジオラマ制作の過程も公開されています。これからも驚きとワクワクを届けてくれることでしょう。
(Hint-Pot編集部・瀬谷 宏)