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“実は何もしていないバンドマン” 5万人が爆笑した理由とは 「このご時世にとても良い」
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古今東西、バンド演奏はさまざまな形式がブームになりました。日本でも60~90年代に異なるスタイルのバンドブームが訪れ、現在ではその演奏風景はすっかり見慣れたものに。そんな“あるある”のイメージを逆手に取ったようなジョーク動画が、大きな話題を呼んでいます。実にバンドらしい動きを見せるメンバーですが、実際の音楽は……? 動画をツイッターに投稿したよったん HANABOBI Vo(@bakinero)さんに話を伺いました。
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音を出して動画を観るとびっくり仰天!
スタジオで激しい演奏を披露している5人組のバンド。中央のボーカル2人は聴衆を煽るように腕を振り上げ、シャウトを繰り返しています。その右脇に立つギターもヘッドバンギングをしながら派手に演奏。奥のベースはいかにもベースらしくやや控えめですが、グルーヴ感あるノリを見せています。そして後ろのドラムも、頭を揺らしながらスティックを振り上げるなど、汗が飛び散るような演奏ぶりです。
しかしこの動画、投稿されたツイートには「音量をゼロにしてお楽しみください」の注意書きが。そしてタイトルは何と「実は何もしてないバンドマン」です。一体どういうことなのでしょう? 音を出して動画見るとその答えが分かります。何とこのバンド、まったく演奏をしていないのです。
カンカン、と出だしだけはドラムがスティックを鳴らす音で始まりますが、その後はドタンバタンと暴れる音だけ。歌声も演奏も一切ないまま“バンドらしい動き”が見事に再現されています。改めて観ると「ああ、それ分かる!」と思ってしまう動きの連続。頭の中で勝手に演奏が流れ出しそうです。
無言の熱演を収めたこの動画は、ツイッターで5.4万件もの“いいね”を集め、再生回数は何と78.5万件に達しました。寄せられたリプライ(返信)でも、動画を観てひらめいた曲と合体させる人が続出した他、「実はこれは超音波で歌ってるから聞こえないんだ」「なぜだろう音量をゼロにした瞬間音が聞こえてきた」といった“心の耳”で音をキャッチした報告も。
さらには「最高w それくらい動けるように見習わなきゃ」「このご時世にはとても良いバンドです」といった称賛の声も寄せられていました。
残念ながら4日で解散 今後もジョーク動画は投稿する予定
確かにこの動き、素人とは思えませんよね。ここでメンバー紹介です。登場しているよったん(ボーカル)、マサ(ボーカル)、ピヨピヨ(ギター)、JUNKI(ベース)、たてくん(ドラム)の5人は、「HANABOBI」というバンドで実際に活動しています。
「今回の動画は僕が思い付きました。僕は普段からふざけたことを思いつく度にメモしていて、毎回の練習時にメンバーに口頭で伝えて撮影しています。活動を始めてからふざけた動画はコンスタントに撮影しているので、今回の動画もその中の一つです。普段のライブが激しく動くスタイルなので、苦労した点は特にありません。無言かつ全力で自分たちの曲のワンフレーズを演奏するふりをしてほしいと伝え、一発撮りで終わりました」(よったんさん)
2014年に北海道・札幌で結成された「HANABOBI」。2016年から本格的な活動を始め、同年の初ワンマンライブを即ソールドアウトさせた以後は、順調に活動を続けていました。道内では話題のバンドでもあったのですが、残念なことに今月の4日で解散してしまうそう。
よったんさんいわく、理由はバンドの定番「音楽性の不一致」……ではなく「コロナ禍での活動において、メンバーの足並みが揃わなくなったため話し合った結果」。ただし、ツイッターアカウントの人気コンテンツでもあるジョーク動画は、今後も投稿を続ける予定だそうです。
「バンドは解散してしまいますが、今後も僕のSNSでふざけた動画の投稿は続けるつもりなので、良かったらチェックしてください!」(よったんさん)
ツイッターアカウントには、バンド活動と関係のないジョーク動画もたくさん投稿されています。そんなギャグセンスも人気を支えた要因の一つなのでしょう。現在は4日の「『見栄を貼るならコレを貼れ!!』LAST ONE-MAN LIVE」(札幌SPiCE)に向けて突き進んでいるメンバーたちに、エールを送らずにはいられませんね。
(Hint-Pot編集部)