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危うく失明…難を逃れた体験漫画に反響 眼科に駆け込んだ理由は“黒いゴミ”
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ある日、突然気付いた体の異変。「早く病院へ」と思いながらもついつい後回しに……コロナ禍の影響で、他の疾病に関する“受診控え”が増加しているそうです。感染を避ける意識は大切ですが、発見が遅れると大変なことになる疾病も。漫画家のきくまき(@kikumaki00)さんは、すぐさま受診したことで失明の危機を逃れました。その過程を描いた漫画がツイッターで大きな反響を呼んでいます。きくまきさんに詳しい話を伺いました。(監修:大森たなか眼科 院長 田中康一郎医師)
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ゴミのようなものが浮かんで見える…眼科で受けた衝撃の診断
配偶者さんと6歳の愛娘、垂れ目の猫ちゃんと暮らす漫画家のきくまきさん。一家に起こった出来事を漫画にまとめ、ブログ「娘が可愛すぎるんじゃ~!」とツイッターアカウントで作品を発表しています。まさに“目が命”のお仕事ですが、ある日に異変が訪れました。
以前から白い壁などを見るとゴミのようなものが浮いて見えていたそう。しかし、その日は空を見上げると、今までとは比べ物にならないほどの数が見えました。そこで目薬を差しましたが状態は変わらず。加齢による「飛蚊症」かと考え、眼科を受診することにしました。
しかし、混んでいた眼科ではなぜか優先的に診察室へ。不思議に思いつつも診察を受けると、眼科医が衝撃の言葉を告げました。
「これは良くないねえ……」
驚きながらもさらに診察を受けたきくまきさん。そこで撮影された眼球の写真には、赤い線のようなものが見えました。眼科医いわく「これね、網膜剥離」。衝撃から無になりかけたきくまきさんに、眼科医は説明を続けます。
正確には、網膜剥離の初期段階である「網膜裂孔」。網膜に裂け目があり、このまま放っておくとそこから網膜がどんどんはがれて失明に至るそうです。漫画では、こうした症状を分かりやすく、そして重くならず上手に伝える眼科医の様子も描かれています。
ちなみに漫画では、医師がペンライトのようなものなどで網膜を見る様子が描かれていますが、田中医師によると実際は「単眼倒像鏡」という装置を使用するそうです。
ツイッターで大反響 貴重な証言も続々と寄せられる
まさかの事態に見舞われたきくまきさん。しかし、眼科医はレーザー手術で裂け目の周囲をのり付けのように止めるという手術があると告げます。できるだけ早くやった方がいいとのことで、きくまきさんは即座に了承しました。そして20分後に早速開始。和やかにトークをしながら始まった手術では目の血管が緑色に見え、意外にもきれいだったそうです。
そして無事に終え、1、2週間後の再診察と「1週間は絶対に走らないこと」という注意点を言い渡されました。これは、走ると振動で網膜がはがれてくる恐れがあるため。普段から愛娘と一緒に走る場面が多いきくまきさんは、「本当に気を付けねば……」と肝に銘じました。
漫画は「もし黒いゴミのようなものが見えたら早めに眼科へ行ってみてください。目は大事!」という呼びかけで終了。作品がツイッターで公開されると、パート1・2を合わせて16万件以上の“いいね”を集めました。
リプライ(返信)には「私の場合は飛蚊症から視野がほとんど欠けてしまい、あと1日(眼科へ)来るのが遅かったら失明でした」「左目は大きくなる前にレーザーで防げましたが、右目はかなり大きく発病してから分かったので、全身麻酔で手術を受けました」「失明手前まで放置してしまい、術後の片目の視力が0.02まで落ちました」など、貴重な証言も多数。定期的な眼科検診の重要性を強く感じる内容が目立っています。
また、記事監修を担当していただいた田中医師の元にも、何と反応が! この漫画を見て心配になり実際に来院した患者さんがいらっしゃったそうで、田中医師は作者の方に感謝を伝えています。