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変異株がピークを過ぎたオーストラリア 厳しいコロナ対策の光と影

公開日:  /  更新日:

著者:守屋 太郎

昨年7月、都市封鎖でゴーストタウンと化したシドニー中心街【写真:守屋太郎】
昨年7月、都市封鎖でゴーストタウンと化したシドニー中心街【写真:守屋太郎】

 感染者の抑え込みに成功するなど、新型コロナ対策で“優等生”と評されたオーストラリア。しかし同時に、日本では考えられないような法的拘束力が働き、市民生活を疲弊させていたとの見方もあるようです。また、政府の景気刺激策で市民に恩恵があったかと思えば、その“副作用”が早くも現れたとも。現地在住ジャーナリストの守屋太郎さんが2回にわたってリポートする同国のコロナ事情。後編の今回は、政府が行ってきた手厚いコロナ経済対策と厳しいロックダウンの功罪についてです。

 ◇ ◇ ◇

罰金は最大40万円! 市民生活を疲弊させた厳しいロックダウン

 変異株「オミクロン」の感染が爆発的に拡大していたオーストラリア。1日あたりの新規感染者数(1週間平均)は1月13日の10万9214.71人をピークに、26日には5万2640.14人とほぼ半減しました(英オックスフォード大学のデータベース「Our World in Data」調べ)。この傾向が続けば、2月中には収束に向かいそうです。

 今回の第4波では、オーストラリアはロックダウン(都市封鎖)を回避しました。ワクチン接種率が約8割まで上昇し、“ゼロコロナ”から“コロナとの共生”に180度方針転換したからです。

 しかし、2020年3月の第1波から昨年までは、感染拡大の度に厳しいロックダウンを繰り返してきました。例えば、筆者が住むシドニー。特に「デルタ」株による第3波のロックダウンは壮絶そのものでした。

 昨年6月末から10月までの約100日間、政府は軍隊と警察を総動員して徹底的に取り締まったのです。飲食店は持ち帰りを除き閉店、小売店も食品など生活必需品に関係するもの以外は閉店。外出は生活必需品の買い物に限り1世帯当たり1人だけ、1日1回のみ許可されました。しかし、その場合も自宅の5キロ圏内から出るのは禁止といった厳しい内容です。

 違反者には、最大5000豪ドル(約40万8000円)という高額な罰金を課しました。政府が国民に自粛を「お願い」する日本とは法的拘束力が違います。

 筆者はロックダウン真っ只中の昨年7月、取材でシドニーの中心街を歩きました。普段は市民や観光客でにぎわうメインストリートに人影はなく、まるでゴーストタウン。誰もいない街で信号やネオンが点滅し、カモメの鳴き声だけが響く様子は異様でした。主要国で感染が最低水準にとどまり、“コロナ優等生”となったオーストラリアですが、移動の自由は厳しく制限され、市民生活は疲弊したのです。

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