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厳しいロックダウンのオランダ 現地在住ライターが伝える現在と政府が見据える未来とは

公開日:  /  更新日:

著者:中田 徹

オランダの首都アムステルダムの街並み。厳しいロックダウンで人影はまばら【写真:Getty Images】
オランダの首都アムステルダムの街並み。厳しいロックダウンで人影はまばら【写真:Getty Images】

 2020年3月にパンデミックが宣言されて以降、今なお収束の兆しを見せない新型コロナウイルス感染症。“withコロナ”へと舵を切る国も多い中、オランダでは一歩先を見据えた新たな“生活のあり方”が模索されているようです。同国はかつてのようなにぎわいや活気を取り戻すことができるのか、それとも……。現地在住ライターの中田徹さんに、政府が作成しているという“長期政策”について教えていただきました。

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厳しい措置を実施しているオランダ ブースター接種のキャンペーンも

 オランダでは2021年12月19日から厳しいロックダウンに入り、2022年1月14日まで続く予定です。スーパーマーケット、ドラッグストアといった生活必需品を販売する店以外は閉まり、カフェやレストランもテイクアウトとデリバリー以外はできず。私の住む町はシーンと静まり返っています。

 今回のロックダウンは、新型コロナウイルス感染者の抑え込みはもちろん、「オランダ在住者にブースター接種を行き渡らせるための時間稼ぎ」という意味合いも持っています。専門機関の助言があったにもかかわらず、オランダ政府はブースター接種を積極的に国民へ勧めようとしませんでした。

 しかし、ここに来て状況は一変。オミクロン株の広がりによる医療崩壊を阻止すること、今後はEU内の移動で必要不可欠になりそうなことを理由に、昨年12月からブースター接種の大キャンペーンを展開しています。

 このキャンペーンの目標は、「希望する成人全員に対し1月末までにブースター接種を完了させる」こと。60歳以上の方から接種を始め、当稿執筆時点(2021年12月30日)では35歳以上の方も予約できるようになっています。このペースで進めば、目標を達成できるのではないでしょうか。