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オミクロン株への対応が急速に進むスペイン 検査キットの高額販売も社会問題化
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世界中で毎日のように新型コロナウイルスの変異株・オミクロン株の猛威が取り沙汰されています。すでに国民の80%以上が2回のワクチン接種を終えているスペインでも、今月13日から18歳以上に3回目の接種が始まりました。感染拡大を防ぐために政府も懸命の策を講じていますが、新たな問題も発生しているそうです。バルセロナでジャーナリストとして活躍する山本美智子さんに、スペインのコロナ事情について教えていただきました。
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70歳以上の約9割が3回目のワクチン接種を終了 基礎疾患がある人には4回目の準備も
重症化を防ぐために、スペインでは70歳以上の約9割が3回目の接種を終えました。また、スペイン国営放送の調べでは40~70歳に関しても33%に達したそうです。また、基礎疾患やがん、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)、ダウン症、移植治療を実施中の患者たちには、3度目の追加接種を終えた5か月後に4回目も行うことを決定しました。
病床が逼迫することを憂慮したスペイン政府は、屋外でのマスク装着を再び義務化しました。ただ、それ以外の措置については州ごとの判断に任されており、同じ国内でも場所によって政策や措置ががらりと変わります。
その中で最も厳しいのがバルセロナです。カタルーニャ州政府は屋外でのマスク着用義務とともに、人口10万人以上の町では午前1時から6時まで、飲食店やナイトクラブ、夜に行われる営業を一切禁止としました。集会人数も10人までに再び制限されました。
レストラン、バー、ホテル、ジムなどを利用する場合は、ワクチン接種証明が必要になります。これは、接種後にアプリを通して個々がダウンロードできるもの。そのため、今では誰もが提示を求められた時のために、この接種証明をスマートフォンに携帯しています。その一方で、首都のマドリードやその近郊のカスティージャ州は夜間の外出制限はなし。接種証明の提示は必要なく、集会の人数制限もありません。