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日本で発見された「いよかん」と「はっさく」 どこが違う? 皮にも見逃せない栄養成分
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教えてくれた人:和漢 歩実
店頭に並ぶ温州ミカンの数が徐々に減っていく今の時期、代わりに「いよかん」や「はっさく」をよく見かけますね。どちらも春先までおいしい柑橘の果物ですが、ちょうど旬が近いので購入の際は迷うことも。今さら聞けない「違い」について、栄養士の和漢歩実さんにお話を伺いました。
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いよかんは明治、はっさくは江戸時代に発見
ミカンなどの柑橘は、インドや中国などに約3000万年前から存在したと考えられています。やがて日本へ伝わったとみられており、「古事記」や「日本書記」にも「たちばな」という柑橘についての記述が。日本でも古くからなじみのある果物と言えるでしょう。
現在のいよかんとはっさくは日本で発見された品種です。その場所はいよかんが明治時代の山口県、はっさくが江戸時代の広島県でした。
はっさくの漢字は「八朔」。朔が「1日」を指すため「8月1日」を意味しますが、名の由来は「旧暦の8月1日から食べられる」と言われたことから。旧暦の8月は新暦で8月下旬から10月上旬頃ですが、この時期は果実が熟していません。食べ頃は今の時期で、主に2~4月頃まで出回ります。
また、いよかんは2~3月頃が一般的においしいと言われています。色はどちらもオレンジ色ですが、いよかんの方が鮮やかで濃い目。大きさははっさくの方が、やや大きめです。
むきやすいのはどっち? ジューシーなのは?
いよかんの果皮は厚めですが、やわらかいためむきやすいと言えます。果肉もやわらかく、果汁がたっぷりでジューシー。香りが豊かで甘味があり、酸味とほどよく調和しています。
はっさくの果皮は硬くむきにくいので、包丁で切れ目を入れてからむくか、カットして食べることをおすすめします。果汁が少なめなので果肉はやや硬く、果肉を包んでいる袋も取り除いた方が食べやすいでしょう。バランス良い甘味と酸味にほのかな苦味もあるのが特徴です。