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はっさくの皮は砂糖で煮込んでお菓子に 春の香りたっぷりのピールを作ろう
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日本原産の柑橘「はっさく」は、江戸時代に広島県のお寺で発見されました。住職が「八朔(旧暦の8月1日)には食べられる」と言ったことから、この名称になったと言われています。ただし実際は、夏場だと実がまだ小さいため収穫期は12~2月。また収穫後は2か月間ほど冷暗所で熟成させ、酸味を落ち着かせます。そのためおいしい時期はまさに今、2月~4月です。はっさくを皮までおいしく食べられる「ピール」の作り方をご紹介しましょう。
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はっさくの魅力をいただく、春の香りのピール
はっさくは上品な甘さとジューシーな果肉、そしてほどよい苦みが特徴です。また、ビタミンCやビタミンP、アスパラギン酸、クエン酸といった身体に有用な成分がたっぷり。さらに黄色い皮の部分に含まれているオーラプテンは、抗酸化作用により肌や髪を美しく保つ効果が期待できると言われています。
せっかくなら余すところなく食べたい果物ですが、はっさくの実は加熱すると苦みが出てしまいます。このため、果肉だけを生食で食べた後、皮は捨ててしまっていませんか? 柑橘系果物の特徴は、何と言っても皮までしっかり食べられるところ。皮に含まれている苦み成分は、丁寧に洗って煮こぼせば抑えることができますよ。
マーマレードにしてもおいしいのですが、おすすめは皮のみを砂糖で煮込んだ「はっさくピール」です。日持ちするのでたっぷり作っておきたいもの。細かく刻んでパンケーキに混ぜ込んでもよし。チョコレートをかけてオランジェットにするもよし。紅茶に浮かべていただくと、春の香りを満喫することができます。
○はっさくピール
【材料】(作りやすい分量)
はっさくの皮 2個分
グラニュー糖 皮の重さと同量
水 皮の重さより30g少ない量
白ワイン 30ml
仕上げ用のグラニュー糖 大さじ3~4
【作り方】
1、はっさくの皮をむき、細切りにする
2、水を替えながら1を5~6回ほど揉み洗いする
3、鍋にたっぷりと水を張り、洗った皮を入れて火にかける。沸騰後は約10分煮てからザルにあけて流水でよく洗う。鍋もサッと洗っておく
4、鍋に3の皮を戻し、グラニュー糖、水、白ワインを加え、沸騰するまで中火にかける
5、沸騰したら弱火にし、鍋のフタを少しずらしてかぶせ、時々かき混ぜながら水分がなくなるまで煮込む
6、クッキングシートを敷いた天板に並べて粗熱を取る。やわらかめに仕上げたい場合は、このまま1時間ほど乾燥させる
7、全体にまんべんなくグラニュー糖をまぶせば完成
※硬めに仕上げたい場合は、乾燥させる前のピールにグラニュー糖をまぶして、150~160度に設定した予熱なしのオーブンで20分ほど焼いて乾燥させる
○はっさくのオランジェット
【材料】(作りやすい分量)
はっさくピール 食べたい量
製菓用チョコレート 80g程度
1、製菓用チョコレートを溶かす
2、はっさくピールの先にチョコレートをたっぷりとつけて冷やせば完成
※高血圧症などで服薬をしている方は柑橘類の摂取に注意が必要です。医師に相談してください。
(和栗 恵)