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首都圏で“住み心地が良い沿線”ランキング 東急電鉄の3路線が上位に 「多様性がある」

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

首都圏で支持を集める“住み心地が良い沿線”とは(写真はイメージ)【写真:写真AC】
首都圏で支持を集める“住み心地が良い沿線”とは(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 在宅時間が増えたことで、住まいに対する関心度が上昇しているといわれる昨今。居住空間はもちろん、どの鉄道会社のどの沿線に位置しているかも「住み心地」をジャッジする重要なポイントですよね。そこで、首都圏の117沿線に居住している人を対象にした大規模調査から、「住み心地が良い」とされた沿線を見てみましょう。

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2020年から順位は変動 3位から1位に上昇したのは?

 大東建託株式会社は2021年3月、首都圏の177沿線に居住する5万1393人を対象に居住満足度調査を実施。2022年2月に「街の住みここち沿線ランキング2021<首都圏版>」としてその結果を発表しました。同社は19年と20年にも同様の調査を実施しており、3回を合わせた調査参加人数は合計13万3207人という大規模調査です。

 今回はランキング項目の中から総合のトップ3とそれぞれの“偏差値”、回答者のコメントを見てみましょう(ランキング集計は山手線、山手線内側の地下鉄及び中央区・千代田区・港区所在の一部路線を除外)。

【3位:東急目黒線(不動前~多摩川)偏差値:73.0】
「目黒」(品川区)から「日吉」(神奈川県横浜市)を結ぶ東急電鉄の「目黒線」。ランキング対象区間は「目黒」と神奈川県内の駅を除外した「不動前」(品川区)から「多摩川」(大田区)で、2020年度は2位でした。「田園調布」(大田区)があることで高級なイメージですが、庶民的な商店街や教育機関、一般的な住宅街が多く、ゆったりと落ち着いた雰囲気が魅力的な路線です。

「中心地には店舗が多いが、少し歩くと閑静な住宅地。警察がこまめに巡回している。顔見知りでなくとも、自然と挨拶が交わされる」(女性・43歳・「奥沢」)
「大学が近く文教地区であり、環境が良い。都心やデパートなどにもそれなりに近く、生活しやすい」(男性・55歳・「大岡山」)

 
【2位:みなとみらい線(横浜~元町・中華街)偏差値:73.0】
 2位は「横浜」(横浜市)から「元町・中華街」(同)を結ぶ横浜高速鉄道株式会社の「みなとみらい線」。2004年2月に開業した比較的新しい路線ですが、横浜の玄関口とみなとみらい地区、観光スポットを網羅しているため観光客も多く利用しています。商業エリアと居住エリアがほどよくミックスされた、まさに横浜らしい路線といえるでしょう。2020年度は1位でした。

「観光地だけに街並みがきれいで、道路清掃も行き届いている。歩道が広く歩きやすい。近くに大きな公園があり、緑や海の眺めも楽しめる一方で、みなとみらいなどの近未来的な建物や商業施設もあって飽きない」(女性・57歳・「馬車道」)
「周りの環境が良く、静かで暮らしやすい。公園も店もカフェも充実」(女性・47歳・「みなとみらい」)

 
【1位:東急東横線(代官山~多摩川)偏差値:73.5】
 そして1位は2020年度の3位からランクを上げた東急電鉄の「東横線」。「渋谷」(東京都渋谷区)から「横浜」(横浜市)を結ぶ路線ですが、ランキング対象は「代官山」(渋谷区)から「多摩川」(大田区)の区間です。

 途中には「中目黒」や「自由が丘」(ともに目黒区)などがあり、流行に敏感な人たちが多いというイメージもあります。しかし実は昔ながらの住民も多く、町内会などの活動が活発な地区も。「意外と庶民的」という声も多いようです。

「最近はおしゃれな街として知られてきているが、昔からの町工場の名残や下町的な気取りのない街であり、欧米系を中心とした多様な海外出身者の居住も多く、多様性がある。昔からの住人の排他的な意識がなく、新たに住んでも大変住みやすい地域」(男性・59歳・「中目黒」)
「街並みがきれい。お店もたくさんあり、アクセスも良い」(女性・37歳・「自由が丘」)

項目別のランキングにはまた新たな発見が

 4位には東急電鉄世田谷線の「三軒茶屋」から「下高井戸」(ともに世田谷区)が、5位には京王電鉄井の頭線の「神泉」(渋谷区)から「吉祥寺」(武蔵野市)がランクイン。トップ5のうち3つが東急電鉄の路線という結果でした。

 これはやはり、世田谷区や目黒区といった元々人気の地域を走っていることが大きいでしょう。また、運行本数の多さや各駅停車でも大規模ターミナル駅からさほど時間がかからないといった利便性も考えられます。それでいて周辺が庶民的とあれば、人気の高さも納得ですね。

 とはいえ、項目別のランキングにはまた新たな発見があります。それぞれの1位を見てみましょう。

「生活利便性」1位:みなとみらい線
「交通利便性」1位:東京メトロ半蔵門線「清澄白河」から「押上」
「行政サービス」1位:横浜市営地下鉄ブルーライン「あざみ野」から「北横浜」
「親しみやすさ」1位:JR中央線「中野」から「武蔵境」
「イメージ」1位:みなとみらい線
「静かさ・治安」1位:小田急多摩線「新百合ヶ丘」から「唐木田」
「物価・家賃」1位:北総線「新鎌ヶ谷」から「印旛日本医大」
「自然・観光」1位:江ノ島電鉄線「鎌倉」から「藤沢」

 総合ランキングでは東急電鉄が強さを発揮しましたが、その他の路線も異なる魅力を持っていることがうかがえます。引っ越しの際は普段の生活スタイルや好みの雰囲気、居住地に求めるものなどをしっかり吟味して、抜群の住み心地を手に入れたいものですね。

(Hint-Pot編集部)