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海の人気者・アカエイが骨だけに…職人技の標本に8.2万人衝撃 「飛んでいきそう」

著者:Hint-Pot編集部

アカエイの繊細な骨格標本【写真提供:いのししの人(@hunterfigskate)さん】
アカエイの繊細な骨格標本【写真提供:いのししの人(@hunterfigskate)さん】

 生物の成り立ちなどを学ぶ上で役立つ骨格標本。博物館などにある大型動物の標本を見て、感動した経験をお持ちの人も多いでしょう。しかし、そうした標本の“作り方”について知っている人は、意外と少ないものです。SNS上では、2年がかりで作り上げた「アカエイ」の精巧な骨格標本が話題を集めています。制作の苦労や骨格標本に対する思い入れなど、制作者に詳しいお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

2年にも及ぶ試行錯誤の末に完成した繊細な骨格標本

 日本を含む東アジアの沿岸域に生息するアカエイ。体長は60センチくらいから、大きいものになると1.5メートルにも及び、ゆったりと泳ぐ姿が水族館などで人気を集めています。また、尾に猛毒を持つ太くて長いトゲ(針)を持っていますが、それ以外の身は淡泊なお味。煮付けなどに適しており、一般の家庭でもおいしくいただくことができます。

 魚とは思えない平たい体で羽ばたくように泳ぐため、まるで空を飛んでいるようにも。一体どんな体の構造をしているのか……と思ってしまいますよね。その疑問に対するヒントをくれたのが、魚類や哺乳類の骨格標本制作を手がけているいのししの人(@hunterfigskate)さん。2年にも及ぶ試行錯誤の末、アカエイの全身骨格標本を完成させました。

実物と骨格標本を並べるとリアルさがよく分かる【写真提供:いのししの人(@hunterfigskate)さん】
実物と骨格標本を並べるとリアルさがよく分かる【写真提供:いのししの人(@hunterfigskate)さん】

「地球外生命体感すごい」との一文を添えてツイッター上に公開した真っ白な標本の写真は瞬く間に反響を呼び、8.2万件もの“いいね”が。リプライ(返信)には「感動しました」「美しい」「美術品みたい」と称賛の声だけでなく、「骨格だけ見ると羽みたい」「エイヒレの部分も骨だったんですね」「飛んでいきそう」など、新たな知識を得たことに感動するメッセージも寄せられました。

根気強く皮と身を除去 骨の中の水分を乾燥させた時の変形に苦労

 高校生の時に初めて骨格標本を手がけたといういのししの人さん。当時は生物の骨だけを染色し、それ以外の部分を透明にする「二重染色透明標本」に興味があったものの、多くの薬品などが必要になることを知り、手軽に作れそうな骨格標本に方向転換しました。

「作っていくうちにその難易度の高さや、奥深さにハマっていった」そうで、今回の作業も簡単なものではありませんでした。

「生物を解剖しながらいくつかのパーツに分けて肉をカッターやピンセットなどで除去。その後骨の中にある血液や脂肪分を薬品で除去して乾燥させ、パーツを組み立てたら完成です」

 手順自体はシンプルですが、その過程にある除去作業は根気のいるもの。途中、冷凍させて変形を防ぐといった細かい作業も含まれており、まさに職人技です。アカエイの標本については、これまで失敗も多かったそう。約2年かけ「いろんな手法を試しながら」やっと完成にこぎつけました。

「エイやサメは軟骨魚類といって骨の中に水分がとても多く、乾燥させた時に大きく収縮、変形してしまいます。また、非常に骨がもろいので少しの衝撃でちぎれたり、折れたりしてしまいます」

 骨格標本の魅力は、「外側から見ているだけだと分からない体の特徴や、比較することでどのように進化してきたかが考察できることです」と語ります。また、今回の反響の大きさにも驚いたようです。

「“エイ”リアンというコメントを見て、自分も使おうかと思いました。また『新世紀エヴァンゲリオン』の使徒などいろいろなアニメキャラの名前も挙げてくれていて、もしかしたら本当にモチーフになってたりして、なんて妄想も」

 今回の制作の様子はYouTubeチャンネル「いのししの人」で公開中。またTikTok(inoshishinohito)でも生物や骨格標本の面白さを見せてくれています。今後も斬新な切り口で楽しませてくれそうですね。

(Hint-Pot編集部)

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