からだ・美容
子どもが眠る前に泣く理由とは? 睡眠の大切さで伝えるべき重要ポイント3つ
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:西谷 綾子
親にとって、子どもの睡眠に関する悩みは尽きません。言葉の通じない乳幼児には言い聞かせても無理、コミュニケーションが取れるティーンでも睡眠の大切さはなかなか理解してもらえない……。一体どうしたら子どもに質の良い睡眠を取ってもらうことができるのか? タレントで睡眠改善インストラクター(日本睡眠改善協議会)でもある西谷綾子さんによる好評連載、第21回のテーマは「子どもの寝つきを良くしたい」です。
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寝床での読み聞かせは子育てする側にもマイナス
【今回のお悩み】
「中学1年生の親です。新型コロナウイルス感染防止の観点からも、なるべく子どもを外に出したくないのが親心ですよね。でも、ずっと家の中でゲームをしていて、徐々に夜更かしするようにもなってきました。『早く寝なさい!』と言っても、親の言うことに聞く耳を持ちません。私の妹は幼児を子育て中ですが、やはり寝つきが悪くて苦労しているそうです。子どもにきちんと睡眠を取らせるためにはどうしたらいいでしょうか? また、その方法は季節によって異なるのでしょうか?」(FKさん)
子どもの体調管理において、睡眠はかなり大きなテーマですよね。まず寝つきを良くするには、朝は太陽の光を浴びさせることと、夜は光を浴びさせないこと。この2つに尽きます。
寝かしつけのために、絵本の読み聞かせをされる方も多いでしょう。その時は寝床以外の場所で行ってください。寝床での読み聞かせは、子育てする側にもマイナス。それは、私たちの脳が場所と行為をセットで記憶する仕組みを持っているためです。
寝床はあくまでも安心して眠ることができる場所。子どもにとってもそれは同じです。寝床が「それ以外のことも行う場所だ」という認識を持ち、布団の中で脳を活発に働かせないためにも、読み聞かせはリビングで行いましょう。
そして、その時の照明はなるべく暗めにします。照明を落としたリビングのソファなどでゆっくり読み聞かせを行い、子どもが眠気を覚えたらすぐにお布団へ。子どもがソファで眠ってしまった場合は、そのまま起こさないようにお布団へ運んでください。
夜眠る前に子どもが泣く理由 涙は副交感神経を優位にする
夜眠る前に泣く子どももいますね。これは、自律神経の切り替えがうまくできないため。私もかつて子どもが泣きやまず、困ったことがありました。
自律神経をうまく切り替えることができない赤ちゃんは、泣くことによって副交感神経の働きが高まり、スムーズな入れ替わりが可能になります。子育て中の方は、泣きやまないことで不安になったり、心配したりすると思いますが、「自律神経の切り替えをしている」と思うことで、心に余裕をもって見守ってください。
問題なく自律神経の切り替えができるはずの大人になっても、時として自然に涙が出ることがありますよね。例えば日中に交感神経活動が活発になりすぎて、夜になっても低下しない時。この場合の涙も“体が欲したもの”であり、泣くことで副交感神経を優位にしているわけです。
泣ける映画やドラマを観た後、何だか気持ちが落ち着き、すっきりすることがあると思います。それと同じように、夜になっても交感神経が高まったままの時は、副交感神経を優位にするためにも思い切り泣いた方が良いというわけです。